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12月07日-05号

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  1. 宮城県議会 2022-12-02
    12月07日-05号


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    最終取得日: 2023-06-18
    令和 4年 11月 定例会(第386回)          第三百八十六回宮城県議会(定例会)会議録                              (第五号)令和四年十二月七日(水曜日)  午前十時開議  午後三時四分散会      議長                     菊地恵一君      副議長                    池田憲彦君出席議員(五十七名)        第一番                  金田もとる君        第二番                  佐々木奈津江君        第四番                  石田一也君        第五番                  佐藤剛太君        第六番                  伏谷修一君        第七番                  松本由男君        第八番                  柏 佑賢君        第九番                  福井崇正君        第十番                  大内真理君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  三浦ななみ君       第十三番                  枡 和也君       第十四番                  佐藤仁一君       第十五番                  渡邉重益君       第十六番                  わたなべ 拓君       第十七番                  伊藤吉浩君       第十八番                  八島利美君       第十九番                  瀬戸健治郎君       第二十番                  櫻井正人君      第二十一番                  村上久仁君      第二十二番                  高橋宗也君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  三浦一敏君      第二十五番                  佐々木功悦君      第二十六番                  境 恒春君      第二十七番                  太田稔郎君      第二十八番                  遠藤伸幸君      第二十九番                  横山のぼる君       第三十番                  高橋 啓君      第三十一番                  庄田圭佑君      第三十二番                  遠藤隼人君      第三十三番                  渡辺勝幸君      第三十四番                  横山隆光君      第三十五番                  佐々木賢司君      第三十六番                  守屋守武君      第三十七番                  外崎浩子君      第三十八番                  池田憲彦君      第三十九番                  熊谷義彦君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  渡辺忠悦君      第四十二番                  菅間 進君      第四十三番                  坂下 賢君      第四十四番                  ゆさみゆき君      第四十六番                  吉川寛康君      第四十七番                  伊藤和博君      第四十八番                  佐々木幸士君      第四十九番                  高橋伸二君       第五十番                  菊地恵一君      第五十一番                  佐々木喜藏君      第五十二番                  石川光次郎君      第五十三番                  中島源陽君      第五十四番                  本木忠一君      第五十五番                  中山耕一君      第五十六番                  安藤俊威君      第五十七番                  畠山和純君      第五十八番                  藤倉知格君      第五十九番                  中沢幸男君欠席議員(一名)      第四十五番                  仁田和廣君欠員(一名)        第三番-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    遠藤信哉君      副知事                    池田敬之君      公営企業管理者                佐藤達也君      総務部長                   志賀真幸君      復興・危機管理部長              佐藤達哉君      企画部長                   千葉 章君      環境生活部長                 佐藤靖彦君      保健福祉部長                 伊藤哲也君      経済商工観光部長               千葉隆政君      農政部長                   宮川耕一君      水産林政部長                 吉田信幸君      土木部長                   千葉 衛君      会計管理者兼出納局長             冨田政則君      総務部参事兼秘書課長             相澤一行君      総務部財政課長                大町久志君    教育委員会      教育長                    伊東昭代君      副教育長                   嘉藤俊雄君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   後藤和隆君    人事委員会      委員長                    西條 力君      事務局長                   千葉幸太郎君    公安委員会      委員長                    山口哲男君      警察本部長                  原 幸太郎君      総務部長                   佐藤孝治君    労働委員会      事務局長                   小松直子君    監査委員      委員                     吉田 計君      事務局長                   武内浩行君-----------------------------------    議会事務局      事務局長                   阿部正直君      副事務局長兼総務課長             藤田信治君      議事課長                   菅原敏彦君      参事兼政務調査課長              川村 満君      総務課総括課長補佐              堀 喜昭君      議事課副参事兼総括課長補佐          二上秀幸君      政務調査課副参事兼総括課長補佐        千葉恵子君      議事課長補佐(班長)             我妻則之君      議事課主任主査                齋藤春恵君-----------------------------------    議事日程 第五号                 令和四年十二月七日(水)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 発議第二号議案 宮城県議会の保有する個人情報の保護に関する条例第三 議第二百七号議案 土地利用審査会委員の任命につき同意を求めることについて第四 議第百七十八号議案ないし議第二百六号議案及び報告第三十六号ないし報告第三十九号第五 一般質問    〔石田一也君、畠山和純君、菅間進君、藤倉知格君〕第六 請願-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 発議第二号議案三 日程第三 議第二百七号議案四 日程第四 議第百七十八号議案ないし議第二百六号議案及び報告第三十六号ないし報告第三十九号五 日程第五 一般質問    〔石田一也君、畠山和純君、菅間進君、藤倉知格君〕六 日程第六 請願----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。-----------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、十三番枡和也君、十四番佐藤仁一君を指名いたします。----------------------------------- △発議第二号議案 ○議長(菊地恵一君) 日程第二、発議第二号議案、宮城県議会の保有する個人情報の保護に関する条例を議題といたします。……………………………………………………………………………………………発議第二号議案 宮城県議会の保有する個人情報の保護に関する条例 右の議案を別紙のとおり地方自治法第百十二条第一項及び宮城県議会会議規則第十五条第一項の規定により提出します。  令和四年十二月二日    提出者  議員  守屋守武    賛成者  議員  櫻井正人  三浦ななみ 横山のぼる             岸田清実  渡辺忠悦  吉川寛康 宮城県議会議長 菊地恵一殿……………………………………………………………………………………………  宮城県議会の保有する個人情報の保護に関する条例目次 第一章 総則(第一条-第三条) 第二章 個人情報等の取扱い(第四条-第十六条) 第三章 個人情報ファイル(第十七条) 第四章 開示、訂正及び利用停止  第一節 開示(第十八条-第三十条)  第二節 訂正(第三十一条-第三十七条)  第三節 利用停止(第三十八条-第四十三条)  第四節 審査請求(第四十四条-第四十六条) 第五章 雑則(第四十七条-第五十二条) 第六章 罰則(第五十三条-第五十七条) 附則    第一章 総則 (目的)第一条 この条例は、宮城県議会(以下「議会」という。)における個人情報の適正な取扱いに関し必要な事項を定めるとともに、議会が保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止を求める個人の権利を明らかにすることにより、議会の事務の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。 (定義)第二条 この条例において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。 一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。以下同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。) 二 個人識別符号が含まれるもの2 この条例において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、議長が定めるものをいう。 一 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの 二 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの3 この条例において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして議長が定める記述等が含まれる個人情報をいう。4 この条例において「保有個人情報」とは、議会の事務局の職員(以下この章から第三章まで及び第六章において「職員」という。)が職務上作成し、又は取得した個人情報であって、職員が組織的に利用するものとして、議会が保有しているものをいう。ただし、宮城県議会の保有する情報の公開に関する条例(平成十一年宮城県条例第二十七号。以下「情報公開条例」という。)第二条第一項に規定する公文書(以下「公文書」という。)に記録されているものに限る。5 この条例において「個人情報ファイル」とは、保有個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるものをいう。 一 一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの 二 前号に掲げるもののほか、一定の事務の目的を達成するために氏名、生年月日、その他の記述等により特定の保有個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したもの6 この条例において個人情報について「本人」とは、個人情報によって識別される特定の個人をいう。7 この条例において「仮名加工情報」とは、次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報をいう。 一 第一項第一号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。 二 第一項第二号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。8 この条例において「匿名加工情報」とは、次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいう。 一 第一項第一号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。 二 第一項第二号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。9 この条例において「個人関連情報」とは、生存する個人に関する情報であって、個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報のいずれにも該当しないものをいう。10 この条例において「特定個人情報」とは、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号。以下「番号利用法」という。)第二条第八項に規定する特定個人情報をいう。11 この条例において「保有特定個人情報」とは、職員が職務上作成し、又は取得した特定個人情報であって、職員が組織的に利用するものとして、議会が保有しているものをいう。ただし、公文書に記録されているものに限る。12 この条例において「独立行政法人等」とは、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人及び個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号。以下「法」という。)別表第一に掲げる法人をいう。13 この条例において「地方独立行政法人」とは、地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。 (議会の責務)第三条 議会は、その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずるものとする。    第二章 個人情報等の取扱い (個人情報の保有の制限等)第四条 議会は、個人情報を保有するに当たっては、法令(条例を含む。第十二条第二項第二号及び第三号並びに第四章において同じ。)の規定によりその権限に属する事務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。2 議会は、前項の規定により特定された利用の目的(以下「利用目的」という。)の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を保有してはならない。3 議会は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。 (利用目的の明示)第五条 議会は、本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記録された当該本人の個人情報を取得するときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。 一 人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要があるとき。 二 利用目的を本人に明示することにより、本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがあるとき。 三 利用目的を本人に明示することにより、国の機関、独立行政法人等地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。 四 取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められるとき。 (不適正な利用の禁止)第六条 議会は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。 (適正な取得)第七条 議会は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。 (正確性の確保)第八条 議会は、利用目的の達成に必要な範囲内で、保有個人情報が過去又は現在の事実と合致するよう努めなければならない。 (安全管理措置)第九条 議長は、保有個人情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。2 前項の規定は、議会に係る個人情報の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合における個人情報の取扱いについて準用する。 (従事者の義務)第十条 個人情報の取扱いに従事する職員若しくは職員であった者、前条第二項の業務に従事している者若しくは従事していた者又は議会において個人情報の取扱いに従事している派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。以下この条及び第五十三条において同じ。)若しくは従事していた派遣労働者は、その業務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。 (漏えい等の通知)第十一条 議長は、保有個人情報の漏えい、滅失、毀損その他の保有個人情報の安全の確保に係る事態が生じたときは、本人に対し、その定めるところにより、当該事態が生じた旨を通知しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 本人への通知が困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるとき。 二 当該保有個人情報に第二十条各号に掲げる情報のいずれかが含まれるとき。 (利用及び提供の制限)第十二条 議会は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。2 前項の規定にかかわらず、議会は、議長が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。ただし、保有個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。 一 本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。 二 議会が法令の規定によりその権限に属する事務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。 三 知事、教育委員会、公安委員会、選挙管理委員会、監査委員、人事委員会、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会公営企業管理者若しくは警察本部長、県が設立した地方独立行政法人、他の地方公共団体の機関、他の地方公共団体が設立した地方独立行政法人、法第二条第八項に規定する行政機関又は独立行政法人等保有個人情報を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。 四 前三号に掲げる場合のほか、専ら統計の作成又は学術研究の目的のために保有個人情報を提供するとき、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき、その他保有個人情報を提供することについて特別の理由があるとき。3 前項の規定は、保有個人情報の利用又は提供を制限する他の条例の規定の適用を妨げるものではない。4 議長は、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、保有個人情報の利用目的以外の目的のための議会の内部における利用を議会の事務局の特定の課又は職員に限るものとする。5 保有特定個人情報に関しては、第二項第二号から第四号まで及び第二十九条の規定は適用しないものとし、次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。第十二条第一項法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的利用目的以外の目的自ら利用し、又は提供して自ら利用してはならないはならない第十二条第二項自ら利用し、又は提供する自ら利用する第十二条第二項第一号本人の同意があるとき、又人の生命、身体又は財産のは本人に提供するとき保護のために必要がある場合であって、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難であるとき第三十八条第一項第一号又は第十二条第一項及び第第十二条第五項の規定によ二項の規定に違反して利用り読み替えて適用する同条されているとき第一項及び第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定に違反して利用されているとき、番号利用法第二十条の規定に違反して収集され、若しくは保管されているとき、又は番号利用法第二十九条の規定に違反して作成された特定個人情報ファイル(番号利用法第二条第九項に規定する特定個人情報ファイルをいう。)に記録されているとき第三十八条第一項第二号第十二条第一項及び第二項番号利用法第十九条 (保有個人情報の提供を受ける者に対する措置要求)第十三条 議長は、利用目的のために又は前条第二項第三号若しくは第四号の規定に基づき、保有個人情報を提供する場合において、必要があると認めるときは、保有個人情報の提供を受ける者に対し、提供に係る個人情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。 (個人関連情報の提供を受ける者に対する措置要求)第十四条 議長は、第三者に個人関連情報を提供する場合(当該第三者が当該個人関連情報を個人情報として取得することが想定される場合に限る。)において、必要があると認めるときは、当該第三者に対し、提供に係る個人関連情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止その他の個人関連情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。 (仮名加工情報の取扱いに係る義務)第十五条 議会は、法令に基づく場合を除くほか、仮名加工情報(個人情報であるものを除く。以下この条及び第四十九条において同じ。)を第三者(当該仮名加工情報の取扱いの委託を受けた者を除く。)に提供してはならない。2 議長は、その取り扱う仮名加工情報の漏えいの防止その他仮名加工情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。3 議会は、仮名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、当該仮名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、削除情報等(仮名加工情報の作成に用いられた個人情報から削除された記述等及び個人識別符号並びに法第四十一条第一項の規定により行われた加工の方法に関する情報をいう。)を取得し、又は当該仮名加工情報を他の情報と照合してはならない。4 議会は、仮名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、電話をかけ、郵便若しくは民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便により送付し、電報を送達し、ファクシミリ装置若しくは電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって議長が定めるものをいう。)を用いて送信し、又は住居を訪問するために、当該仮名加工情報に含まれる連絡先その他の情報を利用してはならない。5 前各項の規定は、議会に係る仮名加工情報の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。 (匿名加工情報の取扱いに係る義務)第十六条 議会は、匿名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、当該匿名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、当該個人情報から削除された記述等若しくは個人識別符号若しくは法第四十三条第一項の規定により行われた加工の方法に関する情報を取得し、又は当該匿名加工情報を他の情報と照合してはならない。2 議会は、匿名加工情報の漏えいを防止するために必要なものとして議長が定める基準に従い、匿名加工情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。3 前二項の規定は、議会に係る匿名加工情報の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。    第三章 個人情報ファイル (個人情報ファイル簿の作成及び公表)第十七条 議長は、その定めるところにより、議会が保有している個人情報ファイルについて、それぞれ次に掲げる事項その他議長が定める事項を記載した帳簿(以下「個人情報ファイル簿」という。)を作成し、公表しなければならない。 一 個人情報ファイルの名称 二 個人情報ファイルが利用に供される事務をつかさどる組織の名称 三 個人情報ファイルの利用目的 四 個人情報ファイルに記録される項目(以下この条において「記録項目」という。)及び本人(他の個人の氏名、生年月日その他の記述等によらないで検索し得る者に限る。次項第一号ホにおいて同じ。)として個人情報ファイルに記録される個人の範囲(次項第二号において「記録範囲」という。) 五 個人情報ファイルに記録される個人情報(以下この条において「記録情報」という。)の収集方法 六 記録情報に要配慮個人情報が含まれるときは、その旨 七 記録情報を議会以外の者に経常的に提供する場合には、その提供先 八 次条第一項、第三十一条第一項又は第三十八条第一項の規定による請求を受理する組織の名称及び所在地 九 第三十一条第一項ただし書又は第三十八条第一項ただし書に該当するときは、その旨2 前項の規定は、次に掲げる個人情報ファイルについては、適用しない。 一 次に掲げる個人情報ファイル  イ 議会の議員若しくは議員であった者又は職員若しくは職員であった者に係る個人情報ファイルであって、専らその人事、議員報酬、給与又は報酬、福利厚生に関する事項その他これらに準ずる事項を記録するもの(議長が行う職員の採用試験に関する個人情報ファイルを含む。)  ロ 専ら試験的な電子計算機処理の用に供するための個人情報ファイル  ハ 一年以内に消去することとなる記録情報のみを記録する個人情報ファイル  ニ 資料その他の物品若しくは金銭の送付又は業務上必要な連絡のために利用する記録情報を記録した個人情報ファイルであって、送付又は連絡の相手方の氏名、住所その他の送付又は連絡に必要な事項のみを記録するもの  ホ 本人の数が議長が定める数に満たない個人情報ファイル  ヘ イからホまでに掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして議長が定める個人情報ファイル 二 前項の規定による公表に係る個人情報ファイルに記録されている記録情報の全部又は一部を記録した個人情報ファイルであって、その利用目的、記録項目及び記録範囲が当該公表に係るこれらの事項の範囲内のもの 三 前号に掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして議長が定める個人情報ファイル3 第一項の規定にかかわらず、議長は、記録項目の一部若しくは同項第五号若しくは第七号に掲げる事項を個人情報ファイル簿に記載し、又は個人情報ファイル個人情報ファイル簿に掲載することにより、利用目的に係る事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、その記録項目の一部若しくは事項を記載せず、又はその個人情報ファイル個人情報ファイル簿に掲載しないことができる。    第四章 開示、訂正及び利用停止     第一節 開示 (開示請求権)第十八条 何人も、この条例の定めるところにより、議長に対し、議会の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することができる。2 未成年者若しくは成年被後見人の法定代理人又は本人の委任による代理人(以下この章において「代理人」と総称する。)は、本人に代わって前項の規定による開示の請求(以下この章及び第四十八条において「開示請求」という。)をすることができる。 (開示請求の手続)第十九条 開示請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第三項において「開示請求書」という。)を議長に提出してしなければならない。 一 開示請求をする者の氏名及び住所又は居所 二 開示請求に係る保有個人情報が記録されている公文書の名称その他の開示請求に係る保有個人情報を特定するに足りる事項2 前項の場合において、開示請求をする者は、議長が定めるところにより、開示請求に係る保有個人情報の本人であること(前条第二項の規定による開示請求にあっては、開示請求に係る保有個人情報の本人の代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。3 議長は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、議長は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。 (保有個人情報の開示義務)第二十条 議長は、開示請求があったときは、開示請求に係る保有個人情報に次の各号に掲げる情報又は情報公開条例第八条に規定する情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが含まれている場合を除き、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示しなければならない。 一 開示請求者(第十八条第二項の規定により代理人が本人に代わって開示請求をする場合にあっては、当該本人をいう。次号及び第三号、次条第二項並びに第二十七条第一項において同じ。)の生命、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報 二 開示請求者以外の個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により開示請求者以外の特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)若しくは個人識別符号が含まれるもの又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。  イ 法令の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報  ロ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報  ハ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第一項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法第二条第四項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等の役員及び職員、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分 三 法人その他の団体(国、独立行政法人等地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下この号において「法人等」という。)に関する情報又は開示請求者以外の事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報を除く。  イ 開示することにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの  ロ 議会の要請を受けて、開示しないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として開示しないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの 四 議長が第二十四条各項の決定(以下「開示決定等」という。)をする場合において、開示することにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると議長が認めることにつき相当の理由がある情報 五 国の機関、独立行政法人等地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に住民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの 六 国の機関、独立行政法人等地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの  イ 国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ  ロ 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ  ハ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ  ニ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ  ホ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ  ヘ 独立行政法人等地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ (部分開示)第二十一条 議長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合において、不開示情報に該当する部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。2 開示請求に係る保有個人情報に前条第二号の情報(開示請求者以外の特定の個人を識別することができるものに限る。)が含まれている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の開示請求者以外の特定の個人を識別することができることとなる記述等及び個人識別符号の部分を除くことにより、開示しても、開示請求者以外の個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。 (裁量的開示)第二十二条 議長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合であっても、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示することができる。 (保有個人情報の存否に関する情報)第二十三条 開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、議長は、当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。 (開示請求に対する措置)第二十四条 議長は、開示請求に係る保有個人情報の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨、開示する保有個人情報の利用目的及び開示の実施に関し議長が定める事項を書面により通知しなければならない。ただし、第五条第二号又は第三号に該当する場合における当該利用目的については、この限りでない。2 議長は、開示請求に係る保有個人情報の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき、及び開示請求に係る保有個人情報を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。 (開示決定等の期限)第二十五条 開示決定等は、開示請求があった日から三十日以内にしなければならない。ただし、第十九条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。2 前項の規定にかかわらず、議長は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。この場合において、議長は、開示請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。 (開示決定等の期限の特例)第二十六条 開示請求に係る保有個人情報が著しく大量であるため、開示請求があった日から六十日以内にその全てについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条の規定にかかわらず、議長は、開示請求に係る保有個人情報のうちの相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし、残りの保有個人情報については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。この場合において、議長は、同条第一項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 一 この条の規定を適用する旨及びその理由 二 残りの保有個人情報について開示決定等をする期限2 前条の規定による開示決定等をしなければならない期間に、議長及び副議長がともに欠けている期間があるときは、当該期間の日数は、同条の期間に算入しない。 (第三者に対する意見書提出の機会の付与等)第二十七条 開示請求に係る保有個人情報に国、独立行政法人等地方公共団体地方独立行政法人及び開示請求者以外の者(以下この条、第四十五条第二項第三号及び第四十六条において「第三者」という。)に関する情報が含まれているときは、議長は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、議長が定めるところにより、当該第三者に関する情報の内容その他議長が定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。2 議長は、次の各号のいずれかに該当するときは、第二十四条第一項の決定(以下「開示決定」という。)に先立ち、当該第三者に対し、議長が定めるところにより、開示請求に係る当該第三者に関する情報の内容その他議長が定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。 一 第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を開示しようとする場合であって、当該第三者に関する情報が第二十条第二号ロ又は同条第三号ただし書に規定する情報に該当すると認められるとき。 二 第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を第二十二条の規定により開示しようとするとき。3 議長は、前二項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも二週間を置かなければならない。この場合において、議長は、開示決定後直ちに、当該意見書(第四十五条において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。 (開示の実施)第二十八条 保有個人情報の開示は、当該保有個人情報が、文書又は図画に記録されているときは閲覧又は写しの交付により、電磁的記録に記録されているときはその種別、情報化の進展状況等を勘案して議長が定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による保有個人情報の開示にあっては、議長は、当該保有個人情報が記録されている文書又は図画の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。2 議長は、前項の規定に基づく電磁的記録についての開示の方法に関する定めを一般の閲覧に供しなければならない。3 開示決定に基づき保有個人情報の開示を受ける者は、議長が定めるところにより、議長に対し、その求める開示の実施の方法等を申し出なければならない。4 前項の規定による申出は、第二十四条第一項に規定する通知があった日から三十日以内にしなければならない。ただし、当該期間内に当該申出をすることができないことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。5 開示決定を受けた者は、第二十四条第一項の規定による通知があった日から九十日以内に開示を受けなければならない。ただし、当該期間内に当該開示を受けることができないことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。6 第十九条第二項の規定は、第一項の規定により個人情報の開示を受ける者について準用する。 (他の法令による開示の実施との調整)第二十九条 議長は、他の法令の規定により、開示請求者に対し開示請求に係る保有個人情報が前条第一項本文に規定する方法と同一の方法で開示することとされている場合(開示の期間が定められている場合にあっては、当該期間内に限る。)には、同項本文の規定にかかわらず、当該保有個人情報については、当該同一の方法による開示を行わない。ただし、当該他の法令の規定に一定の場合には開示をしない旨の定めがあるときは、この限りでない。2 他の法令の規定に定める開示の方法が縦覧であるときは、当該縦覧を前条第一項本文の閲覧とみなして、前項の規定を適用する。 (開示請求の手数料)第三十条 個人情報の開示に係る手数料は、徴収しない。2 第二十八条第一項に規定する写しの交付その他物品の供与を受ける者は、当該供与に要する費用を負担しなければならない。     第二節 訂正 (訂正請求権)第三十一条 何人も、自己を本人とする保有個人情報(次に掲げるものに限る。第三十八条第一項において同じ。)の内容が事実でないと思料するときは、この条例の定めるところにより、議長に対し、当該保有個人情報の訂正(追加又は削除を含む。以下この章において同じ。)を請求することができる。ただし、当該保有個人情報の訂正に関して他の法令の規定により特別の手続が定められているときは、この限りでない。 一 開示決定に基づき開示を受けた保有個人情報 二 開示決定に係る保有個人情報であって、第二十九条第一項の他の法令の規定により開示を受けたもの2 代理人は、本人に代わって前項の規定による訂正の請求(以下この章及び第四十八条において「訂正請求」という。)をすることができる。3 訂正請求は、保有個人情報の開示を受けた日から九十日以内にしなければならない。 (訂正請求の手続)第三十二条 訂正請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第三項において「訂正請求書」という。)を議長に提出してしなければならない。 一 訂正請求をする者の氏名及び住所又は居所 二 訂正請求に係る保有個人情報の開示を受けた日その他当該保有個人情報を特定するに足りる事項 三 訂正請求の趣旨及び理由2 前項の場合において、訂正請求をする者は、議長が定めるところにより、訂正請求に係る保有個人情報の本人であること(前条第二項の規定による訂正請求にあっては、訂正請求に係る保有個人情報の本人の代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。3 議長は、訂正請求書に形式上の不備があると認めるときは、訂正請求をした者(以下この章において「訂正請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。 (保有個人情報の訂正義務)第三十三条 議長は、訂正請求があった場合において、当該訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂正請求に係る保有個人情報の利用目的の達成に必要な範囲内で、当該保有個人情報の訂正をしなければならない。 (訂正請求に対する措置)第三十四条 議長は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をするときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。2 議長は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をしないときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。 (訂正決定等の期限)第三十五条 前条各項の決定(以下「訂正決定等」という。)は、訂正請求があった日から三十日以内にしなければならない。ただし、第三十二条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。2 前項の規定にかかわらず、議長は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。この場合において、議長は、訂正請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。 (訂正決定等の期限の特例)第三十六条 議長は、訂正決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前条の規定にかかわらず、相当の期間内に訂正決定等をすれば足りる。この場合において、議長は、同条第一項に規定する期間内に、訂正請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 一 この条の規定を適用する旨及びその理由 二 訂正決定等をする期限2 前条の規定による訂正決定等をしなければならない期間に、議長及び副議長がともに欠けている期間があるときは、当該期間の日数は、同条の期間に算入しない。 (保有個人情報の提供先への通知)第三十七条 議長は、第三十四条第一項の決定に基づく保有個人情報の訂正の実施をした場合において、必要があると認めるときは、当該保有個人情報の提供先に対し、遅滞なく、その旨を書面により通知するものとする。     第三節 利用停止 (利用停止請求権)第三十八条 何人も、自己を本人とする保有個人情報が次の各号のいずれかに該当すると思料するときは、この条例の定めるところにより、議長に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。ただし、当該保有個人情報の利用の停止、消去又は提供の停止(以下この章において「利用停止」という。)に関して他の法令の規定により特別の手続が定められているときは、この限りでない。 一 第四条第二項の規定に違反して保有されているとき、第六条の規定に違反して取り扱われているとき、第七条の規定に違反して取得されたものであるとき、又は第十二条第一項及び第二項の規定に違反して利用されているとき 当該保有個人情報の利用の停止又は消去 二 第十二条第一項及び第二項の規定に違反して提供されているとき 当該保有個人情報の提供の停止2 代理人は、本人に代わって前項の規定による利用停止の請求(以下この章及び第四十八条において「利用停止請求」という。)をすることができる。3 利用停止請求は、保有個人情報の開示を受けた日から九十日以内にしなければならない。 (利用停止請求の手続)第三十九条 利用停止請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第三項において「利用停止請求書」という。)を議長に提出してしなければならない。 一 利用停止請求をする者の氏名及び住所又は居所 二 利用停止請求に係る保有個人情報の開示を受けた日その他当該保有個人情報を特定するに足りる事項 三 利用停止請求の趣旨及び理由2 前項の場合において、利用停止請求をする者は、議長が定めるところにより、利用停止請求に係る保有個人情報の本人であること(前条第二項の規定による利用停止請求にあっては、利用停止請求に係る保有個人情報の本人の代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。3 議長は、利用停止請求書に形式上の不備があると認めるときは、利用停止請求をした者(以下この章において「利用停止請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。 (保有個人情報の利用停止義務)第四十条 議長は、利用停止請求があった場合において、当該利用停止請求に理由があると認めるときは、議会における個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な限度で、当該利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしなければならない。ただし、当該保有個人情報の利用停止をすることにより、当該保有個人情報の利用目的に係る事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、この限りでない。 (利用停止請求に対する措置)第四十一条 議長は、利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をするときは、その旨の決定をし、利用停止請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。2 議長は、利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしないときは、その旨の決定をし、利用停止請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。 (利用停止決定等の期限)第四十二条 前条各項の決定(以下「利用停止決定等」という。)は、利用停止請求があった日から三十日以内にしなければならない。ただし、第三十九条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。2 前項の規定にかかわらず、議長は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。この場合において、議長は、利用停止請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。 (利用停止決定等の期限の特例)第四十三条 議長は、利用停止決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前条の規定にかかわらず、相当の期間内に利用停止決定等をすれば足りる。この場合において、議長は、同条第一項に規定する期間内に、利用停止請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 一 この条の規定を適用する旨及びその理由 二 利用停止決定等をする期限2 前条の規定による利用停止決定等をしなければならない期間に、議長及び副議長がともに欠けている期間があるときは、当該期間の日数は、同条の期間に算入しない。     第四節 審査請求 (審理員による審理手続に関する規定の適用除外)第四十四条 開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第九条第一項の規定は、適用しない。 (審査会への諮問)第四十五条 開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等又は開示請求、訂正請求若しくは利用停止請求に係る不作為について審査請求があったときは、議長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、個人情報の保護に関する法律施行条例(令和四年宮城県条例第号)第六条第一項に規定する宮城県個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)に諮問しなければならない。 一 審査請求が不適法であり、却下する場合 二 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の全部を開示することとする場合(当該保有個人情報の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。) 三 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の訂正をすることとする場合 四 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の利用停止をすることとする場合2 前項の規定により諮問した場合には、議長は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。 一 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第十三条第四項に規定する参加人をいう。以下この項及び次条第二号において同じ。) 二 開示請求者、訂正請求者又は利用停止請求者(これらの者が審査請求人又は参加人である場合を除く。) 三 当該審査請求に係る保有個人情報の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。) (第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続等)第四十六条 第二十七条第三項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。 一 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決 二 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る保有個人情報の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る保有個人情報を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)    第五章 雑則 (適用除外)第四十七条 保有個人情報(不開示情報を専ら記録する公文書に記録されているものに限る。)のうち、まだ分類その他の整理が行われていないもので、同一の利用目的に係るものが著しく大量にあるためその中から特定の保有個人情報を検索することが著しく困難であるものは、第四章(第四節を除く。)の規定の適用については、議会に保有されていないものとみなす。 (開示請求等をしようとする者に対する情報の提供等)第四十八条 議長は、開示請求、訂正請求又は利用停止請求(以下この条において「開示請求等」という。)をしようとする者がそれぞれ容易かつ的確に開示請求等をすることができるよう、保有個人情報の特定その他開示請求等をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。 (個人情報等の取扱いに関する苦情処理)第四十九条 議長は、議会における個人情報、仮名加工情報又は匿名加工情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。 (審議会への諮問)第五十条 議長は、個人情報の適正な取扱いを確保するため専門的な知見に基づく意見を聴くことが特に必要であると認めるときは、審査会に諮問することができる。 (施行の状況の公表)第五十一条 議長は、毎年度、この条例の施行の状況を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (委任)第五十二条 この条例の実施に関し必要な事項は、議長が定める。    第六章 罰則第五十三条 職員若しくは職員であった者、第九条第二項若しくは第十五条第五項の委託を受けた業務に従事している者若しくは従事していた者又は議会において個人情報、仮名加工情報若しくは匿名加工情報の取扱いに従事している派遣労働者若しくは従事していた派遣労働者が、正当な理由がないのに、個人の秘密に属する事項が記録された第二条第五項第一号に係る個人情報ファイル(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したときは、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。第五十四条 前条に規定する者が、その業務に関して知り得た保有個人情報を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。第五十五条 職員がその職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。第五十六条 前三条の規定は、県の区域外においてこれらの条の罪を犯した者にも適用する。第五十七条 偽りその他不正の手段により、第二十四条第一項の決定に基づく保有個人情報の開示を受けた者は、五万円以下の過料に処する。    附則 この条例は、令和五年四月一日から施行する。……………………………………………………………………………………………提案理由 宮城県議会における個人情報の適正な取扱いに関し必要な事項を定めるとともに、議会が保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止を求める個人の権利を明らかにすることにより、議会の事務の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護する必要があるため、本条例案を提出するものである。…………………………………………………………………………………………… ○議長(菊地恵一君) 提出者から提案理由の説明を求めます。三十六番守屋守武君。    〔三十六番 守屋守武君登壇〕 ◆三十六番(守屋守武君) ただいま議題となりました発議第二号議案、宮城県議会の保有する個人情報の保護に関する条例案について、御説明申し上げます。 令和三年五月に個人情報保護法が改正され、国の行政機関が対象となる行政機関個人情報保護法、独立行政法人等が対象となる独立行政法人等個人情報保護法、民間事業者が対象となる個人情報保護法の、いわゆる個人情報保護関連三法が、個人情報保護法として統合されました。また、独自に個人情報保護条例を制定していた地方公共団体についても、改正後の個人情報保護法が適用され、法に規定する共通のルールに基づき、個人情報保護制度が運用されることになりましたが、法の適用対象外とされた議会においては、令和五年四月に予定されている改正後の個人情報保護法の施行までに、個人情報保護条例及び関係規程を制定し、個人情報の取扱いについて適切な対応を図るための体制を整備することが必要となっておりました。こうした状況を踏まえ、本条例案は、第一条にございますとおり、本県議会が保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止を求める個人の権利を明らかにすることにより、議会の事務の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的に、議会における個人情報の適正な取扱いに関し必要な事項等を定めるものであり、地方自治法第百十二条第一項及び宮城県議会会議規則第十五条第一項の規定により、議員提案として提出するものであります。本条例案の検討に当たり、各会派から選出いただいた議員で構成される任意の検討組織、個人情報保護条例制定検討委員会が設置され、条例案について議論を重ねてまいりました。また、今月の八月一日から三十一日にかけて、県民の皆様から幅広く御意見を伺うため、条例案についてパブリックコメントを実施し、様々な御意見をいただきました。これまでの条例案の検討につきまして、御協力いただいた全ての皆様に心から感謝を表する次第であります。何とぞ本条例案の趣旨を御理解いただきまして、皆様の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(菊地恵一君) これより質疑に入ります。 本発議案に対し、質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 本発議案につきましては、お手元に配布の議案付託表のとおり、総務企画委員会に付託いたします。……………………………………………………………………………………………    議案付託表      第三百八十六回宮城県議会(十一月定例会)令和四年十二月七日議案番号件名提出年月日委員会発議第二号議案宮城県議会の保有する個人情報の保護に関する条例四・一二・七総務企画----------------------------------- △議第二百七号議案 ○議長(菊地恵一君) 日程第三、議第二百七号議案、土地利用審査会委員の任命につき同意を求めることについてを議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました議第二百七号議案は、十二月二十二日で任期満了となります土地利用審査会委員の佐々木真理さん、眞田昌行さん、高橋慎さん、永井隆暁さん、平吹喜彦さんを再任し、新たに伊勢千佳子さん、山本和恵さんを任命することについて、御同意を得ようとするものであります。 何とぞ、御同意を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(菊地恵一君) これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 お諮りいたします。 本案につきましては、委員会の審査を省略することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(菊地恵一君) 御異議なしと認めます。 よって、委員会の審査を省略することに決定いたしました。 これより採決いたします。 本案について、同意することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(菊地恵一君) 御異議なしと認めます。 よって、同意することに決定いたしました。----------------------------------- △議第百七十八号議案ないし議第二百六号議案 △報告第三十六号ないし報告第三十九号・一般質問 ○議長(菊地恵一君) 日程第四、議第百七十八号議案ないし議第二百六号議案及び報告第三十六号ないし報告第三十九号を議題といたします。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり意見が提出されました。……………………………………………………………………………………………                           宮人委第249号                          令和4年12月2日 宮城県議会議長 菊地恵一殿                         宮城県人事委員会                           委員長 西條 力           条例案に対する意見について 令和4年12月1日付け宮議第375号で意見を求められた条例案に対する意見については,下記のとおりです。                 記「議第204号議案 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」 この条例案は,本委員会がさきに行った「職員の給与等に関する報告及び給与に関する勧告」に沿ったものであり,適当と認めます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(菊地恵一君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第五、一般質問とを併せて行います。 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。四番石田一也君。    〔四番 石田一也君登壇〕
    ◆四番(石田一也君) おはようございます。みやぎ県民の声の石田一也でございます。 「わが国では、世界に先駆けて人口減少が進行しており、今後少なからぬ自治体が存亡の淵に立たされる。GDP二〇〇%に上る財政赤字を積み重ね、量的金融緩和を続けながらも、経済は長期的停滞から脱却することができない。過去三十年、経済成長を続けてきた諸外国に比べ、わが国の相対的な地盤沈下は著しい。」。この文章は、本年六月十九日に発足した令和国民会議、通称令和臨調の発足趣意書の一節です。併せて、世代を超え、立場を超え、党派を超えて、解決困難な平成以来の課題に取り組む決意が明記されています。私自身、国政の枠組みでは野党の立ち位置ですが、令和臨調の課題認識を共有する立場で、以下、大綱四点について質問をさせていただきます。 初めに、大綱一点目、みやぎの子育て支援、人材育成についてお聞きいたします。 本年九月、二〇二一年の出生数が八十一万一千六百二十二人だったことが発表されました。前年から三万人近く減少、国立社会保障・人口問題研究所の予測よりも六年早く出生数が八十一万人まで減少したことになります。また、十一月二十八日の松野官房長官の記者会見では、二〇二二年一月から九月までに生まれた子供の数が、速報値で五十九万九千六百三十六人と、前年と比べて約三万人減少し、調査開始以来、最低のペースとなっていることが明らかになりました。このままのペースで二〇二二年の出生数が八十万人を割れば、予想よりも十一年も早いスピードで少子化が進行していることになります。これまでの間、国も宮城県も出産支援や子育て支援策を拡充してはいるものの、出生率の低下に歯止めがかかっていません。理由について、どのように分析されているのか、御所見をお聞かせください。 先日の日本経済新聞で紹介されていましたが、日本やドイツは、夫が働き、妻が子育てする役割分担意識や、子供が三歳になるまで母親が育てるべきという三歳児神話が根強く、ドイツではフルタイム勤務の母親は、ひなの世話をしない薄情なカラスに例えられてきたそうです。そんなドイツですが、一時、一・二台まで落ち込んだ合計特殊出生率が、二〇二一年に一・五八となり、五十年前の水準を回復しています。父親は仕事、母親は家庭という文化にメスを入れ、母親の早期復職と父親の育休取得の同時促進、育児休業を両親休暇と名づけ、所得保障を拡充してきたそうです。共働き世帯が六六%を超えている日本の現状を考えると、我が国、我が県においても子育てと仕事の両立が可能となる制度、支援策の異次元的な拡充が必要だと考えますが、いかがでしょうか。 少子化が深刻化している中で、多くの民間企業が危機感を持ち、独自の子育て支援策に取り組み始めています。伊藤忠商事株式会社では、午前五時から八時までに就業をスタートする代わりに、午後八時以降の残業を原則禁止する朝型勤務を取り入れたことにより、社内の出生率が急上昇したそうです。当初の狙いは、女性社員が長く働きやすい職場づくりでしたが、副産物的な効果として出生率が上がり、また、出産後の女性社員のほとんどが職場復帰するようになったとのことでした。そのほかにも、育休期間を最大三年間に延長する企業や、事業所内に利用料無料の保育所や育児室を設置する企業など、企業独自の両立支援が行われています。宮城県としても、子育てと仕事の両立支援に取り組む企業、民間の力をしっかりバックアップする必要があるのではないでしょうか。宮城県が実施している「女性のチカラを活かす企業認証制度」をバージョンアップして、子育て支援に取り組む企業、特に中小企業へのインセンティブを拡充すべきと考えますが、所見を伺います。 児童がどこでつまずいたのか、つまずきの原因は何なのかをつかむことができれば、学力不振で悩んでいる児童に対し、適切な手だてを講じることができるかもしれない。そんな期待、注目を集めているのが、慶應義塾大学環境情報学部の今井むつみ教授らのグループが開発した、子供たちのつまずきの原因を把握するためのテスト、「ことばのたつじん」と「かんがえるたつじん」という二つのテストです。広島県教育委員会が今井教授らに作成を委託し開発がスタート、既に広島県では試行実施期間を経て、県内小学校で積極的に活用する段階に入っているとのことでした。試行実施に関わった先生方からも前向きな評価が寄せられているようです。広島県教育委員会の先進的な取組に敬意を表しますとともに、宮城県としても同テストの活用を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 経済産業省が本年五月に公表した未来人材ビジョンは、未来を支える人材を育成・確保するための大きな方向性と、今後取り組むべき具体策を示す分かりやすいレポートになっています。生産年齢人口は二〇三〇年で二千百万人減、二〇五〇年には現在の三分の二になってしまう、日本は高度人材を誘致・維持する魅力度ランキング第二十五位、高度外国人から選ばれない国になっている、日本企業の部長の年収はタイより低い、日本企業は人に投資せず個人も学ばない、日本の国際競争力はこの三十年で一位から三十一位に落ちたなど、先進国と呼ばれてきた日本が、今や世界から完全に取り残されてしまった現状がデータで示されています。その上で、次の社会を形づくる若い世代に対しては、常識や前提にとらわれず、ゼロから一を生み出す能力、夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢、グローバルな社会課題を解決する意欲、多様性を受容し他者と協働する能力といった根源的な意識、行動面に至る能力や姿勢が求められるとしています。若い世代にだけ責任を押しつけるべきではないと思いますが、こういった人材が求められているということは理解できます。未来人材ビジョンに関する所感と、宮城県が目指す人材育成の方向性について御教示ください。 未来人材ビジョンは、OECD加盟国中、日本の十五歳の数学的・科学的リテラシーはトップレベル、日本の子供は未来を切り開くすばらしい可能性を秘めているのに、高い数学的・科学的リテラシーが十分に生かされていないことを示しながら、探究的な理科学習が少なく、子供たちが科学の楽しさを感じる機会に乏しいのではないかと結論づけています。先月六日に開催されたプログラミングコンテスト、「とうほくプロコン二〇二二」では、多くの応募作品の中から二十三作品がノミネートされ、部門、テーマごとに最優秀賞が選ばれました。子供たちの生き生きとした笑顔、仲間と協力しながら課題をクリアした自慢げな表情など、子供たちからエネルギーをもらった一方で、主催者からは、プログラミング教育に対する学校・教員の温度差や認識の違い、学びの場が少ないことにより経済的・地域的格差が生まれている現状、プログラミング教育に対して大人の理解が浸透していないなどの課題があることを教えていただきました。プログラミング教育には、探究型の思考や今求められているゼロから一を生み出す能力を伸ばす可能性があります。未来人材ビジョンでは、学校だけに負担を押しつけるのではなく、学校外も含めて多様な才能を開花させるサードプレイス、第三の場所を広げるべきだと提言しています。宮城県としても積極的に取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。 未来人材ビジョンでは、大学経営に参画したり、高等専門学校を新たに設立する企業の動きがあることを紹介し、こういった動きを加速させる必要性も提言しています。来年四月、徳島県神山町に開校予定の神山まるごと高等専門学校は、同町にサテライトオフィスを開設したクラウド名刺管理サービス企業のSansan株式会社のトップが理事長を務め、学校長は元ZOZOTOWNのCTOです。一学年四十人のデザイン・エンジニアリング学科で、テクノロジー、デザイン、起業家精神の三つの分野を全て学べる、今までにない全寮制の私立の高等専門学校です。パートナーである多くの企業の協力もあり、学校独自の給付型奨学金と公的支援を組み合わせることで、年間約二百万円の学費は実質無料。サテライトオフィスを開設した御縁が、まちづくり、人づくりにつながったすばらしい事例だと思います。より少ない人口で社会を維持していくためには、別々に議論されがちな雇用・人材育成と教育システムを一体的に議論することなど、これまでの仕組みやシステムを大きく見直す必要があると考えますが、御所見を伺います。 次に、大綱二点目、DXは社会課題を解決するためのツールについてお伺いいたします。 総務省は、十一月二十七日時点で、マイナンバーカードの申請件数が七千五百六十八万件となり、申請率が六〇%を超えたと発表しました。実際に交付された枚数は六千七百三十五万枚で、交付率は五三・五%だそうです。九月末に終了予定だったマイナポイント第二弾を十二月末まで延長していますが、二〇二二年度末までに、ほぼ全ての国民にカード交付を目指す政府目標の達成は難しそうです。また、現行の健康保険証を廃止し、全てをマイナンバーカードと一体化したマイナ保険証にすることについても、心配の声が上がっています。宮城県でもマイナンバーカードの交付率アップに取り組んでいますが、本県のマイナンバーカードの申請率と交付率はどのくらいになりましたでしょうか、併せて、思ったように交付が進まない理由について、御所見を伺います。 国の国際競争力の低下とデジタル化の遅れはリンクしていると思いますし、何よりも、急激な人口減少が予測される中では、デジタル化、DXの推進は必要不可欠です。カード取得率を地方交付税の算定に反映させることをちらつかせる政府のやり方は本末転倒で、国はカードの利便性向上に投資し、カード取得によるメリットを国民に丁寧に説明して納得してもらうことが重要なのではないでしょうか。例えば、妊婦のサポート事業として、デジタルタクシーチケットを配布している自治体がありますが、今は母子手帳をお渡しするときに御本人を確認した上で、QRコードが印刷された紙をお渡しすることで、キャッシュレス化を実現しています。このアプリを提供している企業にお聞きしたところ、窓口に来なくてもサービスを利用できるよう、マイナンバーカードを使った本人認証も可能になっているとのことでした。また、ほかの企業では、マイナンバーカードの活用促進策として、子育て支援や地域振興などを目的にポイントを付与するサービスや、行政手続や医療福祉とのデータ基盤の連携にも取り組まれています。宮城県では、マイナンバーカードを使った避難支援アプリの導入を進めていますが、第二弾、第三弾の利活用推進策が必要だと考えます。今後の展開について、計画、イメージがあれば御教示ください。 次に、みやぎ医療福祉情報ネットワーク、通称MMWINについてお聞きします。 東日本大震災による津波で、貴重な診療情報が流失した経緯を踏まえ、災害に強い情報バックアップ及び情報共有により医療福祉環境の改善を図るために、国及び県の補助金を受けて県内全域に整備されたのがMMWINです。令和三年度で加入施設機関が八百五十か所程度、病院の約六割が加入、約二十八万人分の患者情報を保有しており、同様のネットワークの中では国内有数の規模になっているとお聞きしています。また、新型コロナウイルス感染症に罹患した患者をMMWINに登録することで、後遺症などの治療にも活用されているとのことでした。デジタル田園健康特区に選定された岡山県の吉備中央町が実証しているのは、まさに、医療・健康情報を蓄積し、救急、母子健康促進支援、教育等の各分野で利活用する内容です。MMWINがマイナンバーとひもづくことで、宮城でも同様のサービス提供が可能になるのではないでしょうか。また、将来的にはオンライン診療や無駄な検査、医療費の削減につながると考えますが、所見を伺います。 この綱の最後に、自分自身が関わった最近の事例を御紹介します。 先日、オンライン上で仙台市内のお母さん方から御要望、御意見をお聴きする機会がありました。一番多かった要望は、小学校の欠席届をオンライン化してほしいという内容です。取材してみると、仙台市内の一部の小中学校では、校長先生の裁量でアプリを利用した欠席届のオンライン化を実現していることが分かりました。簡単なアプリを活用することで、親御さんだけでなく、朝の忙しい時間帯に欠席届の電話が重なる先生方の業務、ストレスが軽減されるとすれば、使わない手はないと思うのですが、学校によっては管理者サイドの無理解があり、横展開ができていないようでした。宮城県立高校の欠席届アプリの使用率はどのぐらいか把握されていますでしょうか。併せて、仙台市以外の小中学校の状況が分かれば御教示ください。 次に、大綱三点目、高速道路定額制による地域活性化について、お聞きいたします。 最初に、高速道路料金定額制が実現できると考える試算について御説明いたします。 二〇一九年のNEXCO三社の公表値をもとにした数字ですが、NEXCO東日本の通行台数は年間十億八千百九万台、料金収入八千五百七十四億円、同様に、NEXCO中日本は通行台数七億二千百二万台、料金収入六千八百九十七億円、NEXCO西日本は通行台数十一億百六十六万台、料金収入七千九百八十二億円です。NEXCO三社を合計すると、利用台数が二十九億三百七十七万台、料金収入が二兆三千四百五十三億円、一台当たりの料金は八百七・七円ということになります。利用車両の内訳を発表しているのはNEXCO東日本だけなので正確な比率は分かりませんが、NEXCO東日本を参考に、仮に軽自動車を五%、普通自動車を六〇%、大型車三〇%、特大車五%とした場合、軽自動車三百円、普通車四百円、大型車を千五百円、特大車を二千五百円の定額料金に利用台数を掛けると二兆四千百一億二千九百十万円となり、現行を上回る料金収入になるという試算です。また、ミッシングリンクの解消や維持管理を考えると、償還主義は実現困難です。永久有料化すれば、更に安い料金設定が可能になります。資料をお配りしておりますが、分かりやすくまとめさせていただきました。(パネルを示す)東北や九州の企業が大都市圏と取引しようとすれば、輸送費コストを吸収するのは簡単ではありません。また、農業も漁業も大消費地から遠ければ遠いほど距離が延びるため、高くなる高速料金の影響を強く受けることになります。燃料費も人件費も距離に比例してかかり、更には時間もかかるというハンディキャップ、今のこの状況はフェアな競争環境とは言えないのではないでしょうか。十一月七日に発足した、村井知事が代表世話人を務め、全国二十二の県知事が参加する知事連合では、冒頭に紹介した令和臨調と連携し、持続可能な地域産業や国と地方の役割の在り方などをテーマに意見を交わし、政策提言、発信を行っていくとお聞きしました。ぜひ、知事連合の中で、高速道路定額制の可能性を検討していただけないでしょうか。 村井知事が会長を務める全国高速道路建設協議会のホームページを拝見したところ、インターチェンジの間隔を欧米諸国並みにすることや、民間施設直結のスマートインターチェンジ等の整備により、地域経済や日常生活に大きな効果がもたらされることを期待しているとの記述がありました。私も同感です。先日、会派の同期メンバーで、日本初の民間施設直結のスマートインターチェンジを実現した三重県多氣町のVISONを訪問し、その便利さも体験してきました。定額制になれば、出口で料金を徴収する必要がなくなり、出口の渋滞解消につながります。ETCという複雑なシステムも必要なくなり、出入口の整備に莫大な経費や敷地面積を要する高コスト体質も改善されます。更に、簡易な出口が可能になれば、約十キロという現行のインターチェンジの間隔を欧米諸国並みの約半分にすることや、各種施設との直結も容易になります。全国高速道路建設協議会でも高速道路定額制の可能性について、ぜひ御検討いただけないでしょうか、御所見を伺います。 NEXCO三社の割引制度は、大口・多頻度割引や深夜割引、休日割引など、その数は三十種類を超え、割引金額の合計は約九千億円に及んでいます。制度が複雑になり過ぎ、料金設定を恣意的に誘導しているとの批判が出るのは当然かもしれません。NHKでも取り上げられましたが、深夜割引を利用する大型トラックの「零時待ち」と言われる深夜の高速道路での大渋滞が問題になっており、また、この渋滞が原因と見られる死亡事故も発生しています。割引対象時間にトラックが集中することから、夜間のサービスエリアやパーキングエリアの駐車場は満車状態が続き、休みたいのに休めないという運転手の声もお聞きしました。インターネット通販市場の拡大で運ぶ荷物は増えているのに、コストを価格に転嫁しにくい運送会社は悲鳴を上げています。ドライバーの皆さんは賃金が上がらず、長時間の労働を強いられています。日本経済再生のためにも、経済の血液とも言える物流業務を担う運送業の職場環境の改善が必要だと考えますが、所感を伺います。 最後に、大綱四点目、協同労働による持続可能で活力ある地域づくりについてお聞きいたします。 十月一日、持続可能で活力ある地域づくりのための、労働者協同組合法が施行されました。九百五十を超える地方議会で早期制定の意見書が出され、国会では全党、全会派の賛同により成立した議員立法です。協同労働とは、働く人が自ら出資をして組合員となり、それぞれの意見を反映させながら主体的に運営し、地域の多様な需要に応じながら、持続可能な地域社会づくりに向けて事業を行う働き方です。これまで、協同労働はNPOなどの形で運営されており、扱える事業などに制限がありました。労働者協同組合法の施行により、派遣業を除いて様々な事業を行うことが可能になり、また、健康保険や労働保険も適用されることになります。福祉、介護や保育等のエッセンシャルワークを中心に地域社会の課題解決に力を発揮している事例、農業を通して現役世代の移住者が増加した事例、労働環境の改善につながる事例も増えています。まだまだ認知度が低い働き方ですので、宮城県として、まずは周知広報、相談窓口の設置等を検討すべきと考えますが、所見を伺います。 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 石田一也議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、みやぎの子育て支援、人材育成についての御質問にお答えいたします。 初めに、出生率の低下についてのお尋ねにお答えいたします。 合計特殊出生率の低下は、我が県のみならず全国的な傾向でありますが、その理由としては、未婚化や晩婚化、晩産化に加え、子育てと仕事の両立の難しさや経済的な不安定さなど、様々な要因が複合的に作用しているものとされております。このような中県では、今年度、合計特殊出生率の低下に関して分析チームを設置し、有識者との意見交換を実施した結果、他県に比べて割合が多い二十代・三十代女性の、有配偶率と有配偶出生率がいずれも低く、平均初婚年齢と第一子出生時年齢が高い傾向にあることが明らかになりました。こうした結果を踏まえ、結婚、妊娠・出産を希望する方が早期に希望をかなえられるよう、県内の市町村と連携いたしまして、結婚支援や子育て支援、仕事と子育ての両立など、多方面から施策を推進していかなければならないと考えております。 次に、共働き世帯の現状を踏まえた支援策についての御質問にお答えいたします。 共働き世帯が年々増加する中、男女ともに仕事と家庭の両立ができる環境の整備は、子育てしやすい社会の実現に不可欠であることから、国を挙げて、保育所等の整備促進や育児休業制度の充実、子育てサポート企業認証などを進めているところであります。県でも国の動きに呼応しながら、保育所整備の加速化や子育てに優しい企業の独自表彰、仕事と子育ての両立を推進するセミナー開催などにも取り組んでまいりました。今年五月には、若手の企業経営者等で構成されます日本青年会議所と連携し、宮城県ベビーファースト活動宣言を行い、今後は地域の青年会議所や市町村等と共に、具体的な取組を進めることとしております。また、十月には育児・介護休業法の改正により、男性が育児休業を取得しやすくなる産後パパ育休制度がスタートしたことから、男性の家事育児参画促進を含めた普及啓発動画「パパ ナイスデー!」を作成いたしました。今後とも県内企業と力を合わせながら、社会全体で仕事と子育ての両立を推進するための取組を進めてまいります。 次に、「女性のチカラを活かす企業認証制度」についての御質問にお答えいたします。 県では、女性が働きやすい就労環境の整備を進めるため、「女性のチカラを活かす企業認証制度」を実施しております。認証企業につきましては、県ホームページなど各種媒体によってPRするほか、県の物品等調達における優遇措置や、建設工事等での総合評価落札方式における加点などのメリットがあり、近年、申請件数も着実に増加しております。また、今後、更に多くの企業が認証によるメリットを実感できるよう、今年度新たに制作する若年女性向けのウェブサイトにおいて、認証企業の優れた取組や魅力をより詳細に紹介することとしております。更に、来年度に向けて中小企業の認証取得を促進するため、女性の就労環境改善の取組に対して、ソフト・ハード両面による伴走型支援を検討しております。県といたしましては、企業が子育て支援をはじめとした職場環境の改善に積極的に取り組めるよう、引き続き制度の充実を図ってまいります。 次に、大綱二点目、DXは社会課題を解決するためのツールについての御質問のうち、マイナンバーカードの利活用についてのお尋ねにお答えいたします。 マイナンバーカードの利活用促進は、県民の利便性向上や行政の効率化を図る上で大変重要であると認識しております。国では、マイナンバーカードと運転免許証等との一体化を図るほか、図書館カードや自治体施設の利用証など、生活の様々な場面でカードを利用したサービスが受けられるよう、自治体を支援していくこととしております。県といたしましても、DX推進の一環として、マイナンバーカードを活用した原子力防災避難アプリの導入を検討してきたところであり、この仕組みは自然災害への対応や商店街の振興、観光客の誘致など、様々な分野での応用が可能だと実感しております。引き続き国や市町村と緊密に連携しながら、県民の皆様がマイナンバーカードのメリットを享受できるような利活用策を幅広く検討してまいります。 次に、大綱三点目、高速道路定額制による地域活性化についての御質問のうち、令和臨調「知事連合」での検証と、全国高速道路建設協議会での検討についてのお尋ねにお答えいたします。 東北縦貫自動車道など我が国の国土の骨格をなす高速道路は、一般道路に比べ速達性や定時性など利用者の受益が大きいことから、高速道路の料金につきましては、利用距離に応じて料金が変動する対距離制度が基本となっております。これからの高速道路は、激甚化・頻発化する災害や、ポストコロナ時代の新たな日常に対応するため、ミッシングリンクの早期解消によるダブルネットワークの構築や、暫定二車線区間の四車線化、老朽化に対応する大規模更新、自動運転などの時代に合わせた進化等が求められており、その整備に必要な財源の安定的な確保が課題になると認識しております。御指摘のありました令和臨調「知事連合」は、現在の地方が抱える課題を中心として、地方の視点に立った活動を展開していくものであり、具体的な活動のテーマにつきましては、令和臨調の提言内容などを踏まえ、今後、各県知事と協議していくこととされておりますので、私どものほうからこのテーマという形ではないということであります。あくまでも知事連合は、令和臨調の中の組織ではなく、外に置かれている組織でありますので、我々が主体的にとは、なかなかできないということを御理解いただきたいと思います。また、全国高速道路建設協議会会長の私といたしましては、現在国において、将来の高速道路が目指すべき姿や、その実現に向けた料金制度など、費用負担の在り方等について議論が進められていることから、まずはその動向を注視しなければならない、そういう立場であると考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 総務部長志賀真幸君。    〔総務部長 志賀真幸君登壇〕 ◎総務部長(志賀真幸君) 大綱二点目、DXは社会課題を解決するためのツールについての御質問のうち、我が県におけるマイナンバーカードの普及状況と課題についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県におけるマイナンバーカードの普及状況は、先月末時点で申請率が六〇%、交付率が五二・五%であり、今年度に入ってから交付のペースが加速しつつあるものの、全国平均を若干下回っております。更なる普及に向けた課題としては、今年九月に実施されたデジタル庁の調査結果では、取得するメリットを感じないことや、申請が面倒であることなどが挙げられております。国では、二〇二四年秋に現在の健康保険証を原則廃止し、マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証の導入を目指す方針を表明しております。県といたしましても、今年度から県内の商業施設等に出張ブースを設けて、県民の皆様にカードの取得を働きかけるとともに、県独自の新たな利活用策についても検討を進めており、引き続き市町村と連携を図りながら普及促進に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱二点目、DXは社会課題を解決するためのツールについての御質問のうち、MMWINとマイナンバーの連携についてのお尋ねにお答えいたします。 マイナンバーと医療情報ネットワークの連携・活用を目指す吉備中央町の事例は、非常に先進的な取組と考えております。一方、国においても、本人や医療機関等が健診・検査等の保健医療情報を閲覧・共有でき、救急や診療等に幅広く活用できる仕組みの構築を目指して検討を進めております。県といたしましては、吉備中央町の事例や国の検討状況も参考にしながら、MMWINの事業主体と連携して、DXの推進による情報の更なる活用や医療の効率化に向けて検討を行ってまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長千葉隆政君。    〔経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱一点目、みやぎの子育て支援、人材育成についての御質問のうち、未来人材ビジョンに対する所感と産業人材育成の方向性についてのお尋ねにお答えいたします。 未来人材ビジョンは、デジタル化や脱炭素化に伴う産業構造の変革と労働需要の変化を見据え、未来を支える人材を育成、確保するための大きな方向性と、今後取り組むべき具体策が示されております。その中では、大きな方向性としての、旧来の日本型雇用システムからの転換などが掲げられ、その具体策として、兼業・副業の推進や産学官による人材育成、確保のための機能強化などが示されており、基本的には県の取組と方向性を同じくするものと考えております。県では、新・宮城の将来ビジョンにおいて、県内産業の持続的な成長を支え、時代や環境変化に対応できる産業人材の育成を掲げており、今後もデジタル化の進展や技術の急速な進歩、普及に対応できる産業人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。 次に、子供の数学的・科学的リテラシーの高さを生かすための学校外での取組についての御質問にお答えいたします。 県ではこれまで、学校外でも子供たちの興味、関心を引き出し、探求心を醸成する機会の提供に取り組みながら、様々な職業に対する理解も高めてきたところです。具体的には、ロボットの操作やウェブアプリ作成のためのプログラミング、工作を通じて燃料電池の仕組みを学ぶ体験教室のほか、ヨーグルトの乳酸菌を培養してDNA分析に取り組む課題解決プログラムなど、多くの分野の技術や科学の楽しさに触れる取組を実施しております。また、民間においても新たな産業用ロボットをイメージし、そのアプリケーションのアイデアを競うロボットアイデア甲子園などの取組が行われております。県といたしましては、引き続き学校や企業などと連携しながら、多種多様な学びや体験の場を積極的に提供してまいります。 次に、雇用・人材育成と教育システムについての御質問にお答えいたします。 人口減少社会において、デジタル化や脱炭素化という大きな構造変化に対応するためには、産業界と教育機関が一体となって、新たな技術革新への対応など、今後必要とされる能力を備えた人材を育成することが重要であると認識しております。県では、教育庁と経済商工観光部が連携し、若手社会人との対話を通じた児童・生徒のキャリア形成支援や、熟練技能者による高校生への技術指導など、地域の企業や若手社会人の参画を得ながら産業人材の育成に取り組んできたところです。また、企業では新規高卒就職者の減少に伴い、既卒者に対する期待が高まってきており、このため、高等技術専門校では企業ニーズに対応したスキルアップやリスキリングの機会を提供できるように、随時、在職者訓練や離職者訓練の見直しを行っております。県といたしましては、今後も宮城県産業教育審議会や、産学官の人材育成機関で構成されるみやぎ産業人材育成プラットフォーム等を活用しながら、雇用・人材育成と教育の一層の連携の下、産業人材の育成に取り組んでまいります。 次に、大綱三点目、高速道路定額制による地域活性化についての御質問のうち、運送事業者の職場環境の改善についてのお尋ねにお答えいたします。 県内の物流を支える運送事業者は、燃料費の高騰に加え、長時間労働や低賃金、ドライバーの高齢化や新規就業者の確保など、職場環境に起因する課題を抱えており、業界として働き方改革に主体的に取り組むことが求められているものと認識しております。県では、県内の運送事業者が加盟する宮城県トラック協会に対し、貨物運輸振興事業費補助金を交付し、働き方改革の取組や人材確保対策、標準的な運賃適用を後押しするための広報事業など、業界が抱える課題解決のための継続的な支援を実施しております。県といたしましては、運送事業者の安定した経営維持への支援や国の認証制度の普及などを通じ、働き方改革の推進や職場環境の改善に向けて、引き続き、国や県トラック協会等関係機関と連携して取り組んでまいります。 次に、大綱四点目、協同労働による持続可能で活力ある地域づくりについての御質問にお答えいたします。 協同労働は、働きがいのある仕事の創造を目的とする新たな就労の在り方として、地域の課題を解決し、持続可能な地域社会の実現につながるものと認識しております。このたびの労働者協同組合法の施行に伴い、協同労働を行う主体として、労働者協同組合という新たな法人形態が認められることになり、県は組合設立の届出の受理や監督などの役割を担うこととされています。このため県では、国、東北六県との共催で、先月二十三日に仙台市内において、労働者協同組合法周知フォーラムを開催し、制度の概要説明と先進事例紹介等を行うとともに、県内市町村に対し、文書による法制度の周知を図ったところです。国においては、労働者協同組合に関するホームページや相談窓口を設置しており、県といたしましても、国と連携し、ホームページによる情報提供や設立・運営等に関する相談・助言など、制度の活用促進に向けて取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱一点目、みやぎの子育て支援、人材育成についての御質問のうち、広島県による学習面のつまずきの原因を把握する取組についてのお尋ねにお答えいたします。 広島県の取組については、教科学力の基盤となると考えられる、言葉・語彙、数・形・量、思考力・推論力等に関して調査を行い、一般の学力調査では見取れない子供のつまずきを把握し、支援に生かすものと承知しております。我が県においても、本調査の実施を決めている市町村や実施を検討している市町村があり、子供の実態を多角的に把握し、つまずき解消に生かそうと検討が進められているところです。県教育委員会としては、子供のつまずきを解消することで、学習内容の確実な定着を図る学力向上マネジメント支援事業に引き続き取り組んでいくとともに、他県の好事例なども踏まえながら市町村教育委員会と課題意識を共有し、学力向上に向けた施策を更に検討してまいります。 次に、大綱二点目、DXは社会課題を解決するためのツールについての御質問のうち、欠席届アプリの県立高校等での利用状況についてのお尋ねにお答えいたします。 県立高校においては約二二%の学校で、仙台市以外の小中学校においては約二四%の学校で、それぞれオンラインを用いた欠席連絡を実施しております。実施している学校からは、電話がつながらないといった不便さが解消され、保護者の利便性が向上したことや、欠席連絡が確実に伝わるようになったなどのメリットが報告されております。オンラインによる欠席連絡の活用は、教職員の働き方改革にも大きく役立つものと考えており、県教育委員会としましては、今後、各種会議において学校や市町村教育委員会へ活用事例等を周知し、積極的な活用を促してまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。 ◆四番(石田一也君) ありがとうございました。前向きな御答弁も結構いただけて感謝をしております。最初に、みやぎの子育て支援、人材育成のところで再質問をさせていただきます。 仕事と子育ての両立について、知事から御紹介があったとおり、二〇二二年の十月に、産後パパ育休制度が施行されましたが、実は、二〇二一年にユニセフが発表した育休制度充実度において、既に日本は第一位になっております。国も我が県も、出産への支援については大分拡充されてきていると私も認識しておりますが、いろいろなアンケート結果などを分析すると、やはり「教育費が高い」という声が最も多く、あとは、「小学生以降は児童手当しかなく、しかも所得制限もあるので、なかなか支援が得られていない」などの声も多いと思います。あともう一つは、育休制度があっても、実際は休めていないと、男性の育休取得率も一三・九七%しかないということで、制度は拡充されているけれども、実際は休めていないということです。これは、先ほどドイツの事例を話しましたが、男性が育休を取ることについて、まだまだ社会全体に醸成されていないのではないかと感じます。現在、国では、令和五年度予算の政府案を調製されておりますが、防衛費については、財源も含めて年度内に決着がつくという報道を拝見しました。併せて、子供政策と脱炭素政策も岸田総理は相当力を入れてやりたいというお話をされておりますが、これについては、財源の議論がなかなか始まっておらず、諦めてしまったと言ってもいいかもしれません。国も県も私たちも含めて、子育てに対する思いがなかなか皆さんに伝わっていないというか、もっとやらないといけないと思います。知事は人口減少という話を常にされていますし、私も危機感を持っておりますが、国も県も仙台市も、子育てについてはとにかくイの一番にやるんだという思いを伝えるものがないと、なかなか進まないのかなと思っているところもあります。その辺について、何か所感があれば、お聞かせいただきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) おっしゃるとおりだと思います。社会を支える人たちが、将来に向けてどんどん減っていくということは、ある意味、何よりも重要な課題だと私は思っております。これは誰の責任というわけではなく、昨日の答弁調整で答弁を修正したんですけれども、県がやりますではなくて、国、県、市町村と一緒になって頑張っていきますということで、先ほど答弁させていただきました。私は、これから人口が急激に減ってきて大変なことになるんだということを、常にいろんなところで言っておりますが、やはり宮城県の責任者として、まずはいろんなところで、その危機感を県民の皆さんに伝えていく、マスコミを通じて伝えるだけではなくて、直接伝えていくということが何よりも重要だろうと思ってやっております。そういった危機感をみんなで共有していくような取組は、非常に重要ではないかと思っています。セミナーも非常にいいんですけれども、来る人が限定されますので、セミナーだけに頼るのではなくて、いろんな機会を通じて、私のみならず県職員、また、議員の皆さんにも御協力いただきながら、そうした取組を常に頭の中に入れていただいて考えていきたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。 ◆四番(石田一也君) 私も全く同感でございまして、誰かの責任でもなくて、みんなで取り組まないといけない課題なんだと思っております。微力ですが、私もできる限りそのスタンスで仕事をしていきたいと思います。 次に、DXのところですが、欠席届のオンライン化の状況について、先ほど教育長から調査結果を御報告いただきました。実は、仙台市にもお願いをして、調べてもらっているところでございます。宮城県では、みやぎDXプロジェクトというものをやっておりまして、県民の方からデジタル化のアイデアを募集していて、現在二期目になっていると思います。その中で、四つのテーマに絞って募集されておりますが、担当課に確認したところ、一期目の募集結果を所管課に渡してはいるけれども、なかなか政策に結びつかないということで、当然、アイデアも多岐にわたっておりますので、全てのアイデアが政策に結びつくわけではないと思いますが、欠席届のオンライン化については、簡単にできるし、ほぼ無料でできるんです。まだ二二%とか二四%しか実施されていないということですが、やはり、管理者側の理解度が低いのかなと思います。ぜひ、その辺りの情報を県から市町村に伝えていただいて、便利になるのであれば、教員も大変でございますので、何とか進めていただきたいと思いますが、所感があれば、お願いいたします。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在は二割強の実施状況ということでございます。メリットもございますが、いろいろ話を聞いている中では、学校によっては、電話で保護者と直接お話をしながら状況をつかみたいなどの考えがあるようでございます。ただ、利便性ということでのメリットもよく考えていただいて、取組が広がっていけばと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。 ◆四番(石田一也君) ペーパーでのやりとりについても、このアプリを使えば、オンラインでできるということですので、ぜひ検討いただきたいと思います。 高速道路の定額制について、知事の御回答はそのとおりだと思いますが、国では、また課税をするという議論も出てきていて、地方は本当に車社会の中で、この課税をされたら本当にたまったもんじゃないと、既に高速道路の対距離制度でも課税されているようなものなので、宮城県から大都市圏に野菜を運ぶのと、埼玉県や茨城県あたりから運ぶのとでは大分価格が違ってきますので、輸送費コストを吸収できないです。ですから、サプライチェーンの回復や、会社が日本に回帰する機運がある中で、ここを改めないと、企業誘致するにもハンディキャップを背負ったままなのではないかと思うのですが、その辺りについて、どのようにお考えでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私も栗岡完爾さんの本を読ませていただきましたし、今の御質問も非常に面白いアイデアだなと聞かせていただきました。ただ、こういう問題は必ず、得する人と損する人が出てくる。完全高速道路無料化なら誰も反対しないんですけれども、定額で乗り放題となって、先ほど軽自動車が三百円、普通車が四百円だったと思いますけれども、例えば首都高などもその対象になってくると。すごく安く乗っていた方が定額制によって料金が高くなれば、多分首都圏の人は反対します。そうなると、首都圏の国会議員が反対する、首都圏の国会議員のほうが圧倒的に数が多いですので法案が通らない、この辺はどうしても難しい問題があって、我々のようなところでは非常にいいアイデアだと思うのですが、その辺のバランスですよね。それから、私も立場上、なかなか表立って出せませんが、こういう考え方があるということをいろんな場で投げかけてみたいなと個人的には思っているのですが、実現させるには並大抵ではないだろうなと思います。首都圏など人口が多く高速料金の安いところからは、恐らく猛反対に遭うだろうなというのが直感として感じました。ですから、なかなか思い切った答弁はできなかったということであります。しかし、そういったことも考えながら、増税で高速道路をつくっていくということになると、やはり都市部の人のほうが便利なんですから、そういった人たちにある程度負担していただいて、御協力いただけるようにしていくということは、一つ面白いアイデアだろうと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。 ◆四番(石田一也君) 知事の発信力はすごいので、個人的にでも結構ですので、ぜひお願いしたいと思います。 最後に、協同労働のところですが、前向きな御答弁をいただいて感謝しております。実は、宮城県のホームページでは、この部分が紹介されていなくて、他の都道府県と比較すると、ちょっとスタートが遅いのかなと思います。先日開催されたフォーラムに私も参加させていただきましたが、参加した方からは、その辺りの御指摘をいただきました。ぜひ、早急に進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長千葉隆政君。 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 先日の労働者協同組合法周知フォーラムでは、会場で百二十人、オンラインで百五十人の方に出席していただいて、この制度を使いたいという方々がたくさんいらっしゃいましたので、県としてPRするとともに、しっかり支援して、この制度の普及に努めたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番畠山和純君。    〔五十七番 畠山和純君登壇〕 ◆五十七番(畠山和純君) 本年五月、県は、新しく想定された大津波による浸水域、浸水深を発表しました。これまで、被災地が取り組んできた、まちづくりの基準とは大きく異なる設定によって、安全な土地と考え、新しい住まいを建設した災害防災集団移転団地に暮らす人たちは、自分たちの家が、土地が、新たな浸水域に加わったことに驚き、困惑しております。大津波で大きな被害を被った宮城県では、様々な復興事業が進み、特に、家を失った人たちは、安全な住まいの確保に懸命に努力を重ねてまいりました。私の住んでいた地区には百軒ほどの一般住宅がありましたが、全て流失してしまいました。それぞれ、被災直後は、避難所、仮設住宅と、長い苦難の日々を送ってまいりました。もう二度と津波に遭いたくない、安心して暮らせる場所に住みたいということが、私たちの共通の願いでありました。親戚や子供たちを頼って気仙沼を離れる人、災害公営住宅に入居する人、防災集団移転地に住宅を建設した人など、それぞれの方々が新しい住まいを求め、全ての被災者の住まいが確保されたのは、ここ一、二年のことでありました。そのほかの復興事業もほぼ見通しが立った時を選び、新しい浸水域は発表されました。幸い、半島部などの高台に移り住んだ人たちや、堅固なマンション方式のビルに住んだ人たちの安全は確保することができましたが、平野部のやや深いところにある集団移転団地の多くが浸水域になってしまいました。いずれも、公的機関によって安全が担保され、建築が認められ、提供された土地であります。なぜ、切実な被災者の願いが、同じ公的機関によって無視されてしまうのか、大変疑問に思います。今日は、これまでの経過を振り返りながら、果たして県の対応は適切であったのか、検証してまいります。 被災者の心情を逆なでするようなことは、幾つかありました。私も昨年十二月、皆さんの住まいが落ち着いたとの認識から、新しい住まいを求め、市内に一軒家を借りることになりました。震災に遭ってから六度目の転居であります。そこを選んだ理由は、建物に津波の痕跡がなかったことによります。県による公表の翌日でしたか、テレビの画面に気仙沼の新しい浸水域の画像が流れました。ちょうど私の住む地域です。周りの建物がバーチャルの大津波に襲われ、満々とした海水に浸っていました。その画面を見て、まるで海中にいるような錯覚に襲われ、息苦しくなり、慌てて画面を消しました。いまだに心の病で苦しんでいる人たちもいます。こんな津波の渦中にいるような画像は、決して流さないでほしいと思います。県が提供した画像であったようです。どんな意図で作成されたのか、被災者がどんな思いをするのか検討はされなかったのか、専門家の意見はどうであったか、まず伺います。 新しい浸水域に合わせて、今、市町では、避難路や避難所の見直しと選定に取り組んでおります。今回の大津波の前、沿岸各市町では、専門家による監修の下、宮城県沖地震を想定した津波シミュレーションを基にハザードマップを作成し、指定避難所などを明示しました。監修した専門家を講師に迎えた防災講演会では、津波警報があったら、速やかに指定の避難所に逃げるようにとの指導があったそうであります。今回の大津波により、残念ながら指定避難所で亡くなった人たちが大勢おられると伺いました。そのことを問われた専門家は、ハザードマップのただし書をもっと強調すべきだったと反省の弁を述べておられました。ただし書には、想定浸水区域ですので、到達しない場合もあれば、想定を超えて津波が押し寄せることも考えられますとありました。その話を聞いた御遺族の方は、大変深い悲しみと怒りを覚えたそうであります。知事、一体どこへ逃げればよかったと思いますか、この件に関して所感をお聞かせください。 私は、今後の避難所の在り方などを検討するためには、実際に起こったことの検証が必要と考え、大震災の折、それぞれの市町のハザードマップの存在と、指定避難所の場所と数、そこで助かった人、お亡くなりになった人の人数などの調査データを県に求めました。県は、そのような調査をしていないとのことで、実態は分かりませんでした。県は、県内の被災の状況を調査、把握していないということであります。信じがたい話でありました。そのとき、調査の必要性を話した記憶がありますが、今回もデータはないとのお話でした。知事、後世のために、あのとき何があったか調査、検証することは、最大の被災県の責務でもあると考えますが、今後の対応と併せて知事の考えを伺います。 同じときに監修を進めた専門家の所属する大学の研究室に、同様の資料を求めましたが、やはり存在しないようでありました。集団移転団地の話をしました。このことについても、新しく浸水域に入ることになった団地の数、住宅の戸数を求めましたが、当初は、当局に公開できないと言われました。何度か交渉した結果、防災集団移転団地は、県下で百九十五か所あり、そのうち、七十か所が該当することが分かりました。しかし、戸数については、いまだ詳細不明とのことでありました。今、判明しているなら、お知らせください。 浸水区域の設定は、県の役割です。このことが、地域、特に被災地にどんな影響を与えるかを考えることは、当たり前のことであります。影響を考える基礎データがないということで、浸水域の公表に当たっては、被災地、被災者にどのような影響を与えるか協議されなかったことが分かります。被災者に対する配慮が、全くなされなかったということが証明されました。知事は、被災者に寄り添ってということを頻繁にお話しされますが、こうした状況をどう考えますか、お聞かせください。なぜ、こんなことが起きたのでしょうか。 県は平成二十三年十月に、復興事業について、ハード事業は、今次津波の痕跡を基準にすること、避難計画や浸水想定などのソフト事業の基準は、最悪の状況を加味した基準で行う方針を定め、市町に周知しました。防災集団移転団地の事業は、ハード事業になります。干潮時の今次津波の痕跡に従えば、満潮時の想定をすれば、当然、浸水域が拡大して、浸水域の中に建物が存在することは、すぐに分かることであります。言わば、今次津波の検証がしっかりしていれば、想定外の恐ろしさは十分認識できたはずであります。少なくとも、津波で家をなくされた方々が、安心を求める集団移転の場所は、今回、明らかになった浸水域の外に設けるべきでありました。なぜ、当初に設定されなかったのか伺います。 津波対策は、ハードとソフトが総合的に調整されて、適切なまちづくりができると思います。事業をハードとソフトに分断し、縦割りで物事を進めたために、今回の事態は起こりました。これだけ公的機関が安全を担保して建設された多くの新しい建物が、浸水域の中に含まれたということは、極めて不適切な対応であったと考えます。該当する方々には、深甚なる謝罪が必要であります。その上で、避難計画の理解を求めるべきと考えますが、知事の考えをお示しください。 それにしても、命を守るためにと知事が力説して建設された防潮堤は、バーチャルな津波では一瞬にして崩壊してしまいました。危機意識を高めることは必要ですが、切迫性のない、あまり現実性のない設定と説明は、分かりにくくて信頼性に欠けます。百ページにも及ぶガイドラインをもっと簡潔にできないのか、もっと冷静な表現が必要だと考えますが、いかがですか。お伺いして、次の質問に移ります。 多様な学び、居場所の確保について伺います。 平成二十八年、全国的に増え続ける不登校の児童生徒の支援のため、国は、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の確保等に関する法律を制定しました。この法律、いわゆる教育機会確保法は、それぞれの子供に合った教育を受ける機会を確保するために、国や自治体が、子供や保護者を支援することが定められています。多様な学び、居場所が求められるようになりました。しかし、これまで宮城県では、様々な政策が講じられてきたにもかかわらず、ここ一、二年の間にも不登校児童生徒の人数は増え続ける一方であります。宮城県においては、昨年まで、法律の趣旨が反映された施策を容易に見いだすことができませんでした。その結果、県内で学校に行けない児童生徒の人数が増え続け、全国で上位を占めるようになりました。四年ほど前、民間で不登校の子供たちの学習支援を行っているフリースクール、フリースペースの現地視察、関係者との話合いから実情を理解するに至りました。三年前、会派有志で教育機会確保法の調査チームを結成、関係者との協議、調査研究を行い、県教育委員会に対して様々な提案を行ってまいりました。本年二月議会では、みやぎ子ども・子育て県民条例の改正に取り組み、多様な学びを明記しました。本年度、条例に基づく基本計画、ガイドラインの見直しが行われております。原案が示され、パブリックコメントも行われました。進捗状況と制定の時期、検討されている主な施策、方針について、概要をお示しください。 私たちは、具体的な政策として、民間施設との連携事業の一つとして、公設民営による施設運営も提案してまいりました。多賀城市教育委員会では、平成二十九年から市が運営していた、たがじょう子どもの心のケアハウスが、本年四月から民間委託により運営されています。官民連携による公設民営での施設運営は県内初めてであり、地方自治体では、全国でもまれなケースであります。ちなみに、令和元年十月の文部科学省通知、「不登校児童生徒への支援の在り方について」では、関係機関、民間施設との連携などを充実させるため、従来、不登校児童生徒の支援を行ってきた、子どもの心のケアハウスを、教育センターとして設置することを自治体に求めています。先頃、多賀城市教育委員会の方々より、現状の取組について御説明をいただきました。令和三年までの五年間の運営で、不登校の児童生徒に関する知識とノウハウの必要性を認識したそうであります。更に、多様な体験の機会の提供、支援の多様化、切れ目のない支援の継続などの課題解決のため、また、教育委員会業務の効率化を図るために、民間委託の運営を決断したそうであります。財源は、多賀城市の一般財源と、宮城県のみやぎ子どもの心のケアハウス運営支援事業を活用し、全額公費で運営されています。委託先は、東日本大震災の後、子供たちの学習支援など様々な支援事業を実施してまいりました、仙台市のNPO法人であります。事業を開始してから、まだ八か月しか経過していませんが、成果としては、多様な体験活動の充実が実現、専門性の向上、支援に必要な社会資源の増、職員の業務効率化が進んだそうであります。また、課題としては、学習支援の充実、どのように子供たちの評価につなげるか、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーとの連携、教育支援センターとしての機能をどのように持たせるか、継続的な財源確保などが挙げられておりました。公設民営、民間委託の現状について、知事と教育長の見解をお示しください。併せて、成果、課題について、現段階での教育長の見解をお示しください。 市町村のケアハウスの運営経費は、県と市町村の財政負担で行われていますが、県からの財政支援は、令和五年度までしか示されていません。学校以外の居場所は、これからも必要であり、財政支援は継続すべきであると考えますが、いかがでしょうか。 多賀城市の事例は、民間の運営であっても、利用する子供たち、保護者の経済的負担はありません。他の自治体においては、本来無償であるべき義務教育段階にいる児童生徒が、学校以外の民間施設などを利用すると、経済負担を余儀なくされているのが現状です。行政として、適切な対応が求められています。子供の学ぶ権利が損なわれているとの指摘もあります。教育長の認識をお示しください。また、民間施設を利用する子供たちの経済負担を軽減するためにも、民間委託の形態を県内に広く採用すべきと考えますが、対応について伺います。 県はこれまで、不登校対策として、カウンセラー等による相談体制の強化を政策の中心に置いてまいりましたが、状況が改善しない一つの要因と考えます。多様な学びへの認識、相談体制が義務化され、対応が硬直化しているように思われます。検証して見直すべきと考えますが、いかがですか。 多賀城市教育委員会は、施設の運営と多様な学びについて、学校復帰だけが目的ではないと、明確に表明されました。調査メンバーの間では、全国的にも極めて先駆的な取組であり、経済的負担の解消とともに高く評価しておりました。深谷多賀城市長には、村井知事に勝るとも劣らぬ先見の明があるようであります。宮城県では、教職員や相談員の間で、いまだ法律の趣旨の認識が十分共有されていないという調査結果もあるようです。人員の削減も含め、民間施設と連携した相談体制の見直しや、適切な研修が必要と思われますが、対応について伺います。 学校へ行けない子供たちが安心して過ごせる居場所の確保は、喫緊の課題と考えますが、いかがですか。既存の民間施設を教育支援センターの分室や支所として運営することも可能かと考えますが、対応について伺い、この項の質問を終わります。 宮城県産米の販売促進について伺います。 一昨年の秋頃から、宮城県内でも新型コロナの感染が拡大し、大きな社会問題となりました。当初は、外出や会合の自粛・規制があり、多くの飲食店が営業自粛となりました。通常であると、議会開会中などで仙台に宿泊している私たち地方議員は、一日三食が外食になります。営業自粛が続いた当時は、食事のほとんどをコンビニで買い求めることになりました。そこで、あることに気がつきました。せっかくなので、宮城県産のお米や食材を使ったおにぎり、お弁当と思いましたが、近所のコンビニでは見つけることができませんでした。そのときは、売り切れかと思いましたが、気になって折に触れ、数件のコンビニや量販店の調査を行いましたが、やはり見つけることができませんでした。大半のおにぎりは、国産米の表示で販売されており、県名と銘柄の表示があり販売されていたのは、山形県や北海道などの他県産ばかりでありました。調査をしてみますと、日本には、都道府県ごとに気候風土に合わせて生産されている食用のブランド米、いわゆる御当地米は、全部で三百種類ほどあるそうです。山形県は、コンビニや量販店と包括協定を結び、山形県産「つや姫」を全国展開しているようであります。また、あるコンビニは、三百種類の中から六銘柄を選定し、それぞれの県と包括協定を結び、「日本お米めぐり」の規格で全国展開しております。選定された銘柄は、北海道産「ふっくりんこ」、「ゆめぴりか」、山形県産「雪若丸」、富山県産「冨冨冨」、石川県産「ひゃくまん穀」、福井県産「いちほまれ」で、残念ながら宮城県は該当しておりません。やはり、宮城県と包括協定を結んでいるセブンイレブンでは、今年三月二十二日から三週間にわたって、宮城県産寒流のりおむすびの、曲がりねぎ味噌と、寒流のり佃煮の二種類のおにぎりを販売しました。お米の産地を尋ねましたところ、宮城県産米ではありませんでした。産地不明であります。セブンイレブンでは、宮城県制百五十周年を記念して、十一月一日から、宮城ゆかりの食材を使った七つの食品が販売されています。その中で、お米を使った食品が二種類あります。一つが、炭火焼牛たんおむすび、もう一つが、ミニ釜揚げしらす丼です。残念ながら、お米は宮城県産ではありませんでした。せっかくの宮城県制百五十周年の企画に水を差すようで申し訳ありませんが、もう少し細かな配慮があってしかるべきと思います。今日は、一枚のパネルを用意いたしました。お手元に資料があると思います。(パネルを示す)今年のお盆に気仙沼市内で配布された、あるおすし屋さんのチラシであります。御覧のように、お米は山形県産の雪若丸でした。山形県の徹底した販売戦略に恐れ入りました。宮城県もサンドイッチマンが出演するコマーシャルが、東京をはじめ関東方面では好調のようです。様々な販売促進に取り組んでおられる関係者の皆様には感謝申し上げますが、県はもっと多様な販売促進に積極的かつ柔軟に取り組むべきと考えますが、現状の認識と今後の取組について伺います。 宮城県産米は、コンビニでは販売されていませんでしたが、今年七月に、県庁から車で五、六分のところに、登米産の環境保全米ササニシキだけを使用したおむすび・お弁当屋さんの「おむすび屋べにすずめ」が開店しました。私も買い求めましたが、とても食感の良い、大変おいしいおむすびとお弁当で、お客様には好評のようでした。登米総合産業高校農業科では、お米を使った商品開発の授業の講師に、おむすび屋べにすずめの経営者をお招きし、開発した商品を、お店で販売する予定と伺いました。宮城県産米の特徴を生かしたこのようなお店を、広く県内で展開できるよう県に求める今回の質問を考えていた矢先、石巻産のホヤと県産米ひとめぼれを使った「ほや酔明おにぎり」が、十二月一日から仙台駅構内のコンビニで販売とのニュースを見ました。とてもうれしくなる企画ではありませんか。宮城県産米の販売促進の幅がどんどん広がっています。次年度に向けた具体的な支援策について伺います。きめ細かく積極的な対応を求めて、この項の質問を終わります。 最後に、洋上投票について伺います。 私は長年にわたり、長期間の洋上生活のため、選挙における投票の機会に恵まれない船員の洋上からの投票の実現に取り組んでまいりました。その結果、平成十二年の衆議院議員総選挙から、船員の洋上におけるシークレットファクスによる投票制度が導入されました。しかし、この制度では、船員たちには身近な地方議員や首長の選挙は該当せず、また、手続の煩雑さに加え、公示期間中に洋上にいると洋上投票の手続ができないなど、多くの課題を抱えています。その結果、船員の数が激減したこともあって、投票する船員の数は極めて少なくなっているのが現状です。また、最近の技術革新により、海上の通信環境もブロードバンド化が図られ、遠洋漁業の船舶上においても、通信衛星を利用してインターネットを使用できる環境が整ってきています。ファクシミリを設置しない船舶も増えてきており、洋上投票そのものが行えない状況となっております。このような船舶からの洋上投票を行うようにするためには、電子メールによる投票やインターネット投票などが考えられますが、総務省においても、平成三十年八月の「投票環境の向上方策等に関する研究会報告書」の中で、在外邦人を対象にしたインターネット投票の導入について議論され、実証実験も行われたと伺っております。更に、諸外国では、インターネット等による利便性の高い投票方法により行われている事例もあります。日本においても、こうした通信技術の急速な発展を踏まえた抜本的な選挙制度の改革が必要であり、早期の実現を求めるものであります。国の所管でありますが、洋上投票は、地方からの発信、宮城からの発信で実現しました。国による在外邦人を対象としたインターネット投票の実証実験を含めた検討状況について、知事に伺います。また、国の検討状況を踏まえ、県としても、国に対して積極的に働きかけるべきと考えますが、対応について伺います。 以上、壇上からの質問を終わります。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 畠山和純議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、津波対策についての御質問にお答えいたします。 初めに、想定を超える津波もある点を強調すべきだったとの専門家の見解についてのお尋ねにお答えいたします。 東日本大震災において、避難先の指定避難所が津波により浸水し、亡くなられた方がいらっしゃったことにつきましては、大変痛ましいことと思っております。市町においては、県の津波浸水想定などを参考としながら、地域の実情に配慮して指定避難所を定めておりますが、その際の津波の想定は、過去に実際に発生した津波や、専門家による科学的知見に基づく今後の予想などを前提としたシミュレーションであるため、実際には、前提となる地震の規模などにより、発生する津波の大きさも異なってくるものと考えております。県といたしましては、引き続き専門家の意見を伺いながら、想定を超える事象も起こり得ることを常に念頭に置き、沿岸市町と連携し、県民の皆様の命を最優先とした津波防災対策の構築に努めてまいります。 次に、防災集団移転団地などが、今回の津波浸水想定において、浸水域に含まれたことについての御質問にお答えいたします。 津波浸水想定の検討においては、シミュレーションに用いる地形データや、最大クラスの地震断層モデルが必要となります。しかしながら、震災直後においては、復旧や復興まちづくり事業の計画が定まっていなかったため、地形データが入手できなかったこと、また、地震断層モデルについては、日本海溝沿いなどの新たな巨大地震断層モデルの検討が、平成二十七年一月から国において開始され、その結果を待つ必要があったことから、検討に着手できなかったものであります。その後、復興まちづくり等の計画がおおむね定まったことや、令和二年四月に、日本海溝及び千島海溝沿いにおける巨大地震モデルが国から発表されたことを受け、同年七月より本格的に検討を進め、今年五月の公表に至ったものでございます。こうした経緯を踏まえ、何としても人命を守るという思いから公表したものでありますが、復旧や復興まちづくりがおおむね完了した時期と重なり、新たに整備された地区の一部が浸水区域に含まれるなど、県民の皆様に混乱を招く結果となりましたことは、大変申し訳ないと考えております。県といたしましては、引き続き、沿岸市町と連携し、県民の皆様に丁寧に説明をしながら、確実な避難につながるよう津波防災対策にしっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、多様な学び、居場所の確保についての御質問のうち、子どもの心のケアハウスに関し、公設民営による運営についてのお尋ねにお答えいたします。 学校に登校していない児童生徒については、その要因が多様化、複雑化していることから、市町村に設置されている、みやぎ子どもの心のケアハウスなどの公的な施設やフリースクール等の民間施設などが連携して、支援に当たることが重要であると認識しております。多賀城市における、子どもの心のケアハウスの民間委託は、先進的なものと捉えており、県教育委員会において、こうした取組を市町村教育委員会と共有し、地域の実情に応じてしっかりと進めてもらいたいと考えております。 次に、大綱四点目、洋上投票についての御質問にお答えいたします。 国においては、御指摘のありましたとおり、平成三十年八月の「投票環境の向上方策等に関する研究会報告書」において、在外邦人を対象としたインターネット投票の導入に向けて検討を進めることが示されました。これを踏まえ、令和元年度から毎年、実証実験が行われ、解決すべき課題はあるものの、制度の実現に向けて前向きに検討が進められている状況にあると認識しております。また、先月取りまとめられた都道府県選挙管理委員会連合会による国への要望事項においても、インターネット投票の実現について盛り込まれたところであります。県といたしましても、洋上投票を含めたインターネット投票が実現すれば、投票環境の抜本的な改善につながることから、引き続き、県選挙管理委員会を通じて積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。    〔復興・危機管理部長 佐藤達哉君登壇〕 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) 大綱一点目、津波対策についての御質問のうち、今後の指定避難所の在り方などの検討には、震災時に起こったことの調査と検証が必要とのお尋ねにお答えいたします。 今後の災害に備え、防災、減災を進めるためには、過去の災害の調査、検証が重要であると認識しており、県では、東日本大震災発災時の様々な場面における、初動対応や活動状況等に関する課題等を取りまとめてまいりました。特に、津波対策に関しては、過去の災害における教訓や、東日本大震災で新たに明らかになった課題等を踏まえ、学識経験者、沿岸市町、防災関係機関、県等で構成される津波対策連絡協議会において、沿岸市町の津波避難計画策定の指針となる、津波対策ガイドラインを平成二十五年度に大幅に改正しました。また、今年五月の津波浸水想定で、浸水エリアが拡大したことから、指定避難所や指定緊急避難場所の見直しが必要となったため、連絡協議会において、避難場所の安全性の考え方を整理するなど、ガイドラインの見直しを行ったところでございます。県といたしましては、引き続き、沿岸市町担当者会議等により、地域の実情や課題等の把握に努めながら、市町におけるハザードマップや避難計画の策定を支援してまいります。 次に、津波対策ガイドラインは、現実味が乏しく、信頼性に欠ける設定に基づくものであり、簡素化と表現の工夫が必要との御質問にお答えいたします。 平成十五年に策定した津波対策ガイドラインは、避難対象地域の指定や避難路の設定、避難方法などを規定しており、沿岸市町の津波避難計画策定の指針となるものでございます。これまで、法改正や大規模な災害などを契機として、必要に応じ改正を重ね、特に、津波避難計画の作成主体である沿岸十五市町の意見や、専門家の知見を取り入れてまいりました。今年五月の津波浸水想定における最大クラスの津波にも適合しており、現時点において、必要を満たす内容であると考えております。県といたしましては、今後も沿岸市町の意見を伺いながら、ガイドラインの精度を高め、市町の津波防災対策に資するよう努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱二点目、多様な学び、居場所の確保についての御質問のうち、みやぎ子ども・子育て幸福計画改正についてのお尋ねにお答えいたします。 今年三月、議員提案により、学校に登校していない子供たちの教育機会の確保を趣旨として、みやぎ子ども・子育て県民条例が改正されたことを受け、現在、条例に基づく計画である、みやぎ子ども・子育て幸福計画の見直しを進めております。具体的な内容といたしましては、主な課題に「教育機会の確保」を明記の上、推進する施策として、学校に登校していない子供への多様な学びの場の提供と、その保護者も含めた支援の充実や県民の理解を深めるための広報などを追加いたしました。十月には中間案として公表し、パブリックコメントを実施したところです。今後は、審議会等での御意見を踏まえ、来年三月に改正し、公表する予定としております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 農政部長宮川耕一君。    〔農政部長 宮川耕一君登壇〕 ◎農政部長(宮川耕一君) 大綱三点目、宮城県産米の販売促進についての御質問のうち、現状認識と今後の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 県産米の販売促進に当たっては、宮城米マーケティング推進機構やJAグループ等と連携しながら、テレビCMなどのほか、「おいしい宮城米米飯提供店」を指定する取組を行っており、県内外の指定店二百六十六店舗では、店頭やメニューなどに産地等の表示がされております。一方、コンビニエンスストア等のおにぎりについては、我が県のひとめぼれも多く使用されているものの、その多くは銘柄が表示されておりません。だて正夢や金のいぶきについては、一部のコンビニエンスストアのおにぎりに使用され、銘柄を表示して販売されるケースも増えてきており、今後、こうした取組を更に展開していくことが重要と認識しております。県といたしましては、関係機関と連携しながら、食味や機能性に優れただて正夢や金のいぶきのほか、みやぎの環境保全米など、他県の銘柄米にはない特徴を積極的にPRすることで、訴求力を高め、コンビニエンスストアなどに評価されるよう努めてまいります。 次に、県内での県産米販売促進の今後の方向性についての御質問にお答えいたします。 県内の飲食店やおにぎり等の販売店において、地域の食材を使用した食事や商品が提供されることは、県内の豊富な食材を知ってもらうよい機会になるとともに、地域産業の振興にも寄与するものと認識しております。このため、宮城米マーケティング推進機構では、県産米を使用する「おいしい宮城米米飯提供店」に店頭表示用のプレートを交付し、同機構のホームページで店舗を紹介しているほか、ポスター、のぼり等の配布、提供店の利用促進キャンペーン実施などの支援を行っております。また、県では、みやぎ米新規需要創出支援事業により、米卸売業者等と生産者が連携して行う販売促進活動を個別に支援するなど、特色ある県産米の販売を推進しております。県といたしましては、今後ともこうした取組を通じて、県産米を提供する事業者等の支援に取り組むとともに、JAグループ等関係者としっかり連携しながら、積極的に県産米の販売促進に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱一点目、津波対策についての御質問のうち、新たな津波浸水想定における、浸水域の画像を作成した意図などや、専門家の意見についてのお尋ねにお答えいたします。 今年五月に公表した津波浸水想定につきましては、浸水する最大の範囲及び最大の水深を示した宮城県津波浸水想定図のほか、参考資料として、解説書や住民向けQ&A及び津波CGアニメーションを公表しております。このうち、津波CGアニメーションは、地図上に時間の経過に伴う浸水の範囲や浸水深を色の変化で表したものであり、津波が繰り返し来襲することや、どの方向から押し寄せるかなどを視覚的に分かりやすく示すことにより、津波からの確実な避難に役立てていただくことを目的とし、有識者の意見を踏まえて作成したものであり、被災した方々の心情に十分配慮したものと考えております。県といたしましては、何としても人命を守るため、引き続き、あらゆる機会を通じて、津波浸水想定の考え方などについて、県民の皆様に丁寧に説明してまいります。なお、議員御指摘のテレビで放映された浸水域の画像につきましては、県が提供したものではございませんので、御理解願います。 次に、新たに浸水域に含まれることとなった、防災集団移転団地の住宅の戸数についての御質問にお答えいたします。 新たな浸水区域図の作成に当たっては、沿岸市町と連携し、復興まちづくりへの影響を確認しながら進めてきたところであり、浸水域に含まれる防災集団移転団地は、百九十五か所のうち七十か所となっております。今回の確認作業は、新たな浸水区域図と沿岸市町のまちづくり計画図を重ね合わせて行ったものであり、団地ごとの浸水範囲の割合は把握しておりますが、具体的な戸数の状況は確認できておりません。 次に、津波浸水想定の設定や公表に関する関係機関との事前協議についての御質問にお答えいたします。 津波浸水想定の設定については、沿岸市町が取り組んでいる復興まちづくりへの影響が想定されることから、平成三十年十一月より沿岸市町と協議を開始し、検討を進めることに御理解いただいた上で、必要なデータなどの収集に着手しております。その後、令和二年四月に、内閣府から新たな地震断層モデルが公表されたことを受け、同年七月から、有識者で構成される宮城県津波浸水想定の設定に関する検討会において本格的に検討を開始するとともに、沿岸市町のまちづくり担当者や防災担当者で構成される津波防災担当者会議において、検討会での内容などについて、その都度、情報共有しながら進めてまいりました。更に、津波浸水想定の公表に当たっては、事前に沿岸市町へ個別に訪問し、公表内容や住民説明用の資料、公表スケジュールなどについて丁寧な説明を行い、了承を得た上で、今年五月に公表したものであります。県といたしましては、引き続き、沿岸市町と緊密に連携しながら、津波防災対策にしっかりと取り組んでまいります。 次に、ハード事業とソフト事業の基準の設定などについての御質問にお答えいたします。 国では、被災地域における復興まちづくり計画の策定を支援するため、平成二十三年七月に、津波シミュレーションの手引を策定し、まちづくりの基本となる最大クラスのレベル2津波のシミュレーションに係る潮位条件を、朔望平均満潮位に設定しております。しかしながら、この手引に基づき津波シミュレーションを実施した場合、今次津波の被害を大きく上回る結果となり、居住可能地区の設定など、復興まちづくりの計画の検討が困難な地域が生じることとなりました。このため、県では、国や有識者と協議を行い、ハード事業となる土地利用計画については今次津波発災時の潮位を、ソフト事業となる避難計画については朔望平均満潮位を、それぞれ条件として設定し、復興まちづくりを進めていく方針を、平成二十三年十月に市町に示したものです。この方針を踏まえ、各市町において、それぞれの実情に合わせて津波シミュレーションを行い、復興まちづくり計画を策定したものであり、県といたしましては、このような進め方については、早期に復興事業を行う上で必要であったと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱二点目、多様な学び、居場所の確保についての御質問のうち、ガイドライン策定の進捗状況等についてのお尋ねにお答えいたします。 県教育委員会では、教育機会確保法に基づき、学校、市町村教育委員会、教育支援センター等の公的機関、フリースクール等民間施設の相互理解に基づく連携を促進し、児童生徒やその保護者を中心に据えた支援体制の構築に資するための、「学校以外の場で学ぶ児童生徒を支援するための連携に関するガイドライン」の策定に取り組んでおります。これまで、有識者を含む様々なお立場の皆様を構成員とする検討会を三回開催し、多面的に御検討いただくとともに、検討会以外にも、県内全ての市町村教育委員会や教育支援センター、校長会地区代表、フリースクール等民間施設、県PTA連合会等の皆様から広く御意見を頂戴し、内容等に反映させてまいりました。公表時期につきましては、今年度内を予定しており、今後、市町村教育委員会を通じて各学校へ周知してまいります。 次に、多賀城市が運営する子どもの心のケアハウスの現況や成果、課題の認識についての御質問にお答えいたします。 県教育委員会では、六月と十一月に、たがじょう子どもの心のケアハウスを訪問し、民間委託団体から直接、事業状況や成果と課題等について伺っております。民間団体の他地域における実践経験を生かした職場体験や、子供たち自身が主体的に企画・運営し、地域を巻き込んだイベント、行事などの体験活動は、学校に登校していない児童生徒の社会的な自立へとつながっていくものと捉えております。一方、個に応じた支援や通所状況による評価の在り方などについては、市教育委員会、学校及び民間団体において、更に議論を深めていく必要があると認識しております。 次に、子どもの心のケアハウスへの財政支援についての御質問にお答えいたします。 みやぎ子どもの心のケアハウスについては、社会的自立を目的とし、相談活動や心のケア、学習支援を行うなど、学校へ登校していない児童生徒一人一人の状況に応じた多様な支援を行っており、重要な役割を担っていると認識しております。県教育委員会としましては、今後も市町村教育委員会と連携して、子供たちや保護者を支援していけるよう、財政支援につきましても継続する方向で検討してまいります。 次に、民間施設利用における経済的負担等についての御質問にお答えいたします。 登校していない児童生徒が民間施設等を利用する際の経済的負担が大きいという保護者の声を伺っており、県としても課題であると捉え、このような児童生徒の活動費や通学費等の支援について、全国都道府県教育長協議会等を通して国へ働きかけているところです。また、県教育委員会としましては、公的な仕組みの中で民間の力を活用できるよう、みやぎ子どもの心のケアハウスの機能を民間団体に委託可能としたほか、ケアハウスからフリースクール等に専門職員を配置可能としているところであり、保護者の経済的負担軽減にもつながると考えております。今後も、心のケアハウスを民間委託している多賀城市や、フリースクールに職員を配置している気仙沼市、大崎市の取組について、市町村教育委員会やフリースクール等民間施設関係者と情報を共有し、公的機関と民間施設等との連携を促してまいります。 次に、スクールカウンセラーによる相談体制を中心とした不登校児童生徒に係る施策の検証と見直しについての御質問にお答えいたします。 県教育委員会では、震災後、児童生徒が抱える課題の解決や心のケアが図られるよう、県内全ての公立小中学校にスクールカウンセラーを派遣、配置してきております。一方、学校に登校していない児童生徒に対する支援については、相談体制の充実をはじめ、全ての児童生徒にとって魅力ある、行きたくなる学校づくりや、学校内の学び支援教室などの別室の活用促進、学校以外の学びの場となる、みやぎ子どもの心のケアハウスの機能の強化や民間施設との連携、訪問指導員の配置など、どこにいても誰かとつながっていることができる取組を推進しております。今後も、それぞれの施策における効果を検証しながら、更なる充実に向けて検討してまいります。 次に、適切な研修の実施や、民間施設と連携した相談体制の見直しについての御質問にお答えいたします。 教育機会確保法につきましては、法の趣旨等をまとめたリーフレットや各種研修会等で周知しておりますが、なお一層、教職員や相談員の理解を深めていく必要があると認識しております。県教育委員会としましては、学校に登校していない児童生徒の支援ネットワークを教育事務所に設置し、保護者を含めた支援者を対象に、今年度からフリースクール等民間施設等と連携し、相談及び情報交換会を実施しております。今後も、教育機会確保法の趣旨を踏まえた児童生徒の状況に応じた支援につながるよう、今年度策定する「学校以外の場で学ぶ児童生徒を支援するための連携に関するガイドライン」などにより、民間施設と連携促進を図りながら、研修会及び相談体制の充実に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番畠山和純君。 ◆五十七番(畠山和純君) 津波対策について伺います。検証の必要性について、復興・危機管理部長からいろいろ話がありましたが、やはり資料がなければ検証できないと思うんです。質問で触れたんですけれども、震災時における避難所の存在、ハザードマップ、どのぐらい沿岸にあって、どういうところに避難所があって、そこで助かった人も大勢いるわけですから、そういった調査をどうしてやらないのですか。 ○議長(菊地恵一君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) 震災直後の状況につきまして、我が県では、発災後一年間の災害対応の記録とその検証ということでまとめております。その中で、初動体制でありますとか、当時の活動状況、そして、応急復旧対策、最後にそれらの教訓についてまとめております。避難所等の詳細につきましても調査等をしていると思いますが、議員御指摘の当時、そちらで亡くなられた方、そこで助かった方など、そういうところは分からない、不明ということでございます。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番畠山和純君。 ◆五十七番(畠山和純君) 各市町村はみんな情報を持っているんです。何とか中学校には何人の方がいたとか、何とか小学校には何人の方がいたとか、何でそれを集めることできないんですか。県全体としてのものが、どうしても私は必要になると思います。後で精査した上で、委員会で詳しく聞きますけれども、どうも専門家の先生方は、地層がどうであるとか、一元的にしか物を見ていないのではないかという思いがしてしようがない。津波対策というのは、防災や避難、まちづくりまでを含めて総合的につくらなければいけないと思うんです。そういった視点が物すごく足りない。先ほど知事からもありましたように、想定される津波があるかないか分からない中で、津波のリスクと一緒に生きなくちゃならないんです。専門家の先生が言うように、想定外の津波が起きる可能性がありますということを講演会で強調したとしても、あの時点で皆さんがどこへ逃げればよかったのか分からなかったじゃないですか。同じようなことが、このガイドラインの留意事項にもあるんですが、これよりもっと大きな津波が発生する可能性はないというものではありませんと、これを見て住民の人はどう理解しますか、被害を想定したものではありませんと書いています。それでも、命を守るために逃げなさいとしている。明治三陸地震津波の後に宮古では、「此処より下に家を建てるな」という教訓が残され、その後、その地区の人たちは津波に遭うことはありませんでした。宮城県でも、昭和に津波に遭ったところは、みんな高台に逃げたんです。それで、今回の津波では一軒も被害に遭っていないんです。そういう教訓があるにもかかわらず、今回の津波で家を流された人たちが再建した住居が、新たに浸水域に入るっていうこと、こんなことはあり得ないですよ。そのことをもっと真剣にというか、県の行政の在り方っていうのか、専門性の高い話については我々も言う立場にありませんから、これ以上は言いませんけれども、被災された方、大勢の犠牲があって、御遺族の方たちは、ずっとつらい思いをされているんです。それに輪をかけるような今回のやり方はおかしいですよ。知事、いかがですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 畠山議員は、被災者のお一人でありますので、津波の被害を直接受けていない者とはまた違う視点で物が見えますし、感情も出てくると思います。非常に重い発言だと思っております。ただ、先ほど部長が答弁いたしましたように、今回、専門家の御意見を聞いて、準備をしてきたところ、想定をはるかに超えてしまったということであります。私は震災直後、それでは駄目だと思って、建築制限をかけました。畠山議員からは、隣の岩手県では、どんどんいろんな建物ができているのに、宮城県はまだ何もつくれないというような厳しい御意見もその時いただきましたけれども、私は、できれば安全な場所にと思って、そこには建物を建てないようにという厳しいことを言ったわけであります。しかし、どうしても皆さんから、まちづくりができなくなってしまうので、早く基準を示すようにということでありましたので、先ほど部長が答弁したとおり、国と調整をいたしまして、今次津波でつくった防潮堤が足りないことを前提にまちづくりを進めましょうと、防潮堤の高さはこうやって、宮城県は防潮堤が今までなかったので、余裕高を一メートルとしてつくりますということで、平成二十三年十月にお示しをしました。これは、宮城県だけではなくて、岩手県も福島県も同じ基準でやっておりますので、宮城県だけがそのような基準にしたわけではなく、岩手県も福島県もその基準でなければ、まちづくりができなかったということでありました。その後、震災から四年がたった平成二十七年に新しい津波浸水想定が出まして、新たに浸水想定にかかったということです。しかも、今回の想定では、一メートル地盤沈下して、満潮時に防潮堤が全部倒れていると、信じられないような厳しい想定になってしまったということです。我々としては、まちづくりがある程度できるまでは、どうなるかということをなかなか示せませんでしたが、今回、やっとまちづくりができ上がりましたので、それでシミュレーションをしたら、このような結果になったということでございます。まちづくりができ上がったところが、また津波浸水想定にかかってしまうということで、不安に思っておられることは当然でして、我々もこれを公表していいものかどうかというところからいろいろ議論をしたんですけれども、そのときは正しいとされてきたプロセスを踏んできた結果が、こういうことになったということであります。まちづくりは、今次津波を前提としたハード整備をして、ソフト対策は、新たな想定に基づいた避難計画にするということでありますので、今回は、そういったシミュレーションに基づいたソフト対策を市町と一緒になってつくっていきたいと思っております。恐らく、また何かあったときに想定が変わって、違う形になる可能性も十分あると思いますので、その際には、今回のように大学の先生方のアドバイスを聞いて失敗したと言われることのないように、厳しい批判を恐れずに、厳しい想定を早め早めに県民の皆さんにお知らせするという形で、亡くなった命に報いていきたいと思っております。畠山議員の気持ちをしっかりと受け止めながら、今後の対策に取り組んでまいりたいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 議員からの御質問のうち、先ほどの私の答弁の中で、答弁漏れがございまして、議長の許可をいただきましたので、学校に行けない子供たちの居場所確保についての御質問にお答えいたします。 学校に登校していない児童生徒への支援については、教育機会確保法の趣旨を踏まえ、子供たちの居場所と多様な学びの場を確保していくことが重要であると認識しております。また、教育支援センターの機能を持つ、みやぎ子どもの心のケアハウスの分室につきましては、設置者である市町村教育委員会が地域の実情に応じて判断することとなりますが、民間施設を分室にすることは、県の補助制度上、可能としております。県教育委員会としましては、公設民営による運営の成果と課題を市町村教育委員会と共有し、教育支援センターとしての機能強化を図るなど、子供の社会的自立に向けて、市町村教育委員会と共に取り組んでまいります。 以上でございます。大変申し訳ございませんでした。 ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。    午後零時八分休憩-----------------------------------    午後一時十分再開 ○議長(菊地恵一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。四十二番菅間進君。    〔四十二番 菅間 進君登壇〕 ◆四十二番(菅間進君) 宮城県美術館リニューアル後に向けて、お尋ねいたします。 今年度末には実施設計を終え、いよいよ来年度中に改修工事契約、工事開始と聞いております。リニューアルオープンは令和七年度中と伺っており、どのようなリニューアルされた宮城県美術館--以下リニューアル県美といたしますが、登場するのか楽しみであります。 さて、二年前の十一月十六日の知事定例記者会見で、移転集約案の撤回を発表。直後の県議会定例会において、私は一般質問。近代建築の価値を生かした観光資源づくりの推進についての質問に、知事はこう答えていらっしゃいます。「今回のメリット、デメリット分析では、他自治体における前川建築の活用事例も踏まえて検討しており、県として日本を代表する建築家である前川國男氏が設計した現美術館の建物や立地の価値を県民の財産として維持・継承していくこととしております。方針として決定した場合には、現美術館の文化的価値や近代建築としての価値を生かしながら、観光資源として有効活用する可能性も期待できるものと考えております」。さて、私は先月中旬、近代建築ツーリズムネットワークの呼びかけ自治体、事務局を置いている弘前市に伺ってまいりました。近代建築ツーリズムネットワークそのものは、平成二十八年の観光庁事業、平成二十八年度テーマ別観光による地方誘客事業に採択されたことから、弘前市が中心となって事業化されたもので、その年度の十一月に設立されています。前川建築を所有する各自治体への参加意向確認については、各自治体へ電話やメールで趣旨説明をし、参加確認を行って、その後参加に興味を持っていただいた自治体に対し、書面で参加確認を行ったとのことであります。第一段階の参加確認は軽い感じの勧誘のようなものだったようで、当時の宮城県はあまり興味を示さなかったと推測され、参加意向確認の書類は送らなかったようです。それはともかくとして、このネットワークには、弘前市をはじめ東京都、埼玉県、神奈川県、新潟市、岡山県、福岡市、熊本県、石垣市の一都四県四市九自治体が入っており、今年は、第六回近代建築ツーリズムネットワーク総会を岡山県で開催。総会終了後には、岡山県庁、林原美術館、天神山文化プラザ、前川建築の現地視察も行われています。世界七か国十七施設の建築作品が世界文化遺産に登録されたル・コルビュジエの日本国内唯一の作品、国立西洋美術館に深く関わった前川國男。前川は、若くしてフランスに渡り、ル・コルビュジエのアトリエで師事をした、日本モダニズム建築の旗手であることは言うまでもありません。前川が手がけた建築物を文化交流拠点として利活用している自治体が連携し、近代建築の価値や魅力を広くPRしていくことにより、近代建築の観光資源化を促進することを目的にしているのが、このネットワークであります。各自治体における活動は様々ですが、例えば埼玉県では、埼玉会館前川國男建築見学ツアーを今年度五回実施予定、埼玉会館前川國男建築セミナー「前川國男が愛した音楽とホール音響へのこだわり」開催など、地道な取組を重ねることによって、前川國男建築を含む国内の近代建築の観光資源化を促進、需要を創造しようとしています。国内旅行やインバウンドにおいても、多様化する旅の形態のツーリズムとして、せっかく前川建築を持っている宮城県でありますから、さきに挙げた答弁のように、その実現化を図っていくべきと考えますが、知事の所見をお聞かせください。 さて、ハードは存在するものの、ハード・ソフト両面で課題はあります。 一点目、二年前に埼玉会館等調査に伺った際に、埼玉県立歴史と民俗の博物館--旧埼玉県立博物館も視察いたしました。すばらしい自然環境の中に立地し、前川建築でも有数な建物と評価され、日本芸術院賞、毎日芸術院賞など数々の賞を受賞し、公共建築百選にも選定されています。建物入り口を入ると受付案内スペースがあり、右奥には前川國男コーナーが。前川建築である建物の概要紹介と、前川國男のプロフィールの掲示が、建物の雰囲気になじむように設置されておりました。リニューアル県美にもあってよろしいのではと考えます。また、この博物館のホームページには、前川建築のすすめPDFが掲載されており、見どころを写真とイラストを使って案内、「今後お越しいただく際など、建築を御覧いただく上でお役立てください」と記されています。まさにソフト面になりますが、リニューアル県美のホームページに工夫すべきと考えます。 次はハード面になりますが、現在の県美術館のペントハウス--塔屋の外壁は、建物本体の壁面とは全く違う仕様になっています。建設当時は同じ仕様でしたが、経年劣化で修理した際に、予算の関係でしょうか、別物になったと聞いております。前川建築をコンセプトとするリニューアル県美は、本来の姿にするべきと考えます。これら前川建築に係る何点かについて、所見をお聞かせください。 県美術館としての機能について、以下何点かお尋ねいたします。 新県民会館の整備基本構想には、ギャラリー、アトリエの設置が検討されています。今までも、リニューアル県美のギャラリーとのすみ分け等についてお尋ねしてきましたが、現段階での検討状況についてお聞かせください。また、アトリエについては、単に創作活動するスペースを提供するという貸しアトリエ的なものなのか、現美術館にあるオープンアトリエとはどうすみ分けするのか見えません。更に、新県民会館アトリエについては、若手芸術家やアーティストの創作・発表などの文化芸術活動を支援し、次代を担う芸術家を育む拠点となり得る検討なのか。その機能については、現在の県美術館においても、リニューアル県美においても、大変弱い機能と思われますが、どう展開する考えかお聞かせください。 次に、四病院統合・合築移転問題についてお尋ねいたします。 六月議会以降、九月議会の議論を経て、がんセンターの機能の多くを、統合予定の新病院からなくしてしまうという知事の考えが明確になってきたのは、大変残念であります。がんセンターは、東北大と五大がんを含め民間医療機関では対応に限界がある希少がん、難治がんを重点的に診療しているのは、十分御存じだと思います。これからのがん医療は、今までの摘出等ではない、全く違う先進医療に変わると言われていますし、それも日進月歩で、それは研究所があり病院が連携しているからこそ、がんセンターができることであります。二〇一八年には、宮城県では、がんセンターががんゲノム医療連携病院として指定されていますし、更に研究所の活動状況を見ても、研究がどれだけ高い評価を受けているかというバロメーターである科研費採択件数・金額は、二〇二一年過去最高であり、スタッフ一人当たりの採択件数は、全国県立がんセンター研究所でトップ。民間の研究助成金を合わせると、総額一億五千万円の研究費を獲得しています。なぜ、これだけ実績のある研究所をなくす方向で検討を進めるのかが理解できません。この研究所があるからこそ、若手のがん治療専門医が病院に集まっているとも聞きますので、県立がんセンターとして宮城県民のがん治療に果たしてきた役割を果たせなくなると思わざるを得ません。これらについて、知事の所見をお聞かせください。 次に、がんセンターの機能として、がん相談支援センターが県内の相談件数の約四分の一を受け付けており、充実した相談体制を取って患者や家族に親身に対応しています。県立がんセンターだからできる業務と思えるのですが、所見をお聞かせください。 さて、仙台赤十字病院ですが、総合周産期母子医療センターとしての機能を持っており、その機能を引き継ぐことを想定していると聞きます。しかしながら、名取市の新病院候補地は、現在地からは南東部、マップファンでの距離は約十四キロメートル、時間的には約三十分の距離にあります。例えば、私は青葉区北西部、泉区と隣接した住宅地域に住んでいますが、現在の仙台赤十字病院までは約十一キロメートル、二十二分なのに対し、新病院予定地までは約二十一キロメートル、四十三分かかります。私は、広く県民の医療機会の平等性という基本的な考え方を支持するものですし、できる限りそうあるべきとも考えています。そういった考えで周産期の三次医療を受け入れる仙台赤十字病院が、仮に新病院に移転したときの仙台医療圏での移動距離・時間を、アバウトでありますが調べてみました。もちろん、仙台市には東北大学病院がありますので、受入れ可能ではありますが、仙台医療圏以北の医療圏からも要請がある可能性と、後でお示ししますが、再生産年齢人口を見ると、仙台市と仙台市以外の仙台医療圏では、大きく開きがあります。仙台市の各区役所からの距離、所要時間を現在地と新病院予定地で比較しましたが、全て新病院予定地が現在地より遠くなっています。私の大ざっぱな見方では、均等に住民が地域に住んでいるとしたら、約八割の仙台市民が遠くなると思われます。更に、先ほど述べた再生産年齢人口を比較すると、二〇二五年、仙台市二十一万千五百七十五人、仙台市以外の仙台医療圏--これは名取市、岩沼市、亘理町、山元町になりますが、三万八百六十八人。二〇三五年、仙台市十七万四千四百五十八人、仙台市以外二万五千八百四十七人。二〇四五年、仙台市十四万四千四百六十九人、仙台市以外二万二千二百二十人。幾らか仙台市以外の比率は上がってはいるものの、絶対数が違います。当然に婚姻率、出生率等も考慮しなければなりませんが、以上、周産期医療の三次医療を想定しての距離が遠い、時間がかかるという切り口で申し上げました。これを踏まえ、二次・三次の各医療機関の役割など、地域における周産期医療連携体制をどのように構築するのか、また、新病院予定地と約六キロメートル、十二分という近距離にあるこの地域で、通常分娩等、長く宮城県の周産期医療体制の一翼を担ってくれているスズキ記念病院との関係をどう考えているのか、これらについても所見をお聞かせください。 精神医療センターの富谷市移転の問題については、九月議会においても、厳しく追及されてきました。医療従事者の移転反対の意向はもちろん、現在通院している患者の皆さんの通院が可能なのか。また、長年培った中での地域移行が、どのように富谷市で開院時にできるのか。名取市で長年積み重ねてきた、地域実践に基づく地域包括ケアシステムがあるからこその全県的な地域包括ケアシステムが、果たして展開が可能なのかという、避けては通れない、難しい課題があるわけであります。知事は、二十年先、三十年先、四十年先のことを考え、県民全体にとって利益があるという判断を示されています。しかしながら、突然に二十年、三十年、四十年先にタイムスリップができないことは、十分お分かりかと思います。その間、どのような道程を経ることでソフトランディングが可能なのかお示しいただかないと、現在の県政に責任を持つトップとして、県民に対する医療行政を軽視するということになりかねないのではないでしょうか。以上、精神医療センターの通院に係る諸課題について、具体にお示しいただくとともに、知事の医療行政に対する考え方についてお聞かせください。 次に、宮城県精神科病院協会が出された意見書のうち、全県の急性期医療に及ぼす影響についてお尋ねいたします。 県内では、二次圏ごとに急性期治療を積極的に推進している基幹的病院があり、その役割を、仙南医療圏及び仙台医療圏南部では精神医療センターが果たしており、他の医療圏では協会所属病院が果たしている現状があります。同センターが富谷市に移転することによって、同センターが担ってきた医療圏の急性期医療が手薄になり、また一方、移転先周辺では、従来基幹的役割を担ってきた病院と急性期で競合する事態が想定されるとしています。精神科医療の根幹である急性期治療についての県の見解が現段階で出されていないので、それを求めていますが、私も同感です。見解を求めます。 次に、精神医療センターでは、現在、精神科救急入院料基準病棟九十九床を運営していますが、ここに入院するのは救急患者とは限らないことを指摘し、このいわゆるスーパー救急病棟に、一般精神病院慢性期病棟でも受入れ可能な急性期の患者を入院させることが、県全体の医療にとってどのような影響を及ぼすのか、示していただきたいというものです。このことについての所見をお聞かせください。 次に、民間とはいえ公的病院である東北労災病院移転に関わる件について、お尋ねいたします。 東北労災病院の所在地、仙台市青葉区と近隣である泉区の人口は、約五十二万五千人です。そのエリアには、総合病院として、東北大学病院を除き、青葉区に東北公済病院、JR仙台病院、イムス明理会仙台総合病院。泉区にはJCHO仙台病院、仙台徳洲会病院などが挙げられます。泉区は、東北労災病院がある台原からは隣接地域であり、この青葉・泉両区からの病診連携をはじめとする地域住民の入通院は、かなり多いものと推定されます。富谷市に仮に移転した際の病診連携がどの程度なされるのか、富谷市への距離、アクセス手段と時間を考えると、今までのようにはいかないと思われます。それでは、新たに病診連携が可能な地域はというと、富谷市をはじめ黒川郡、その先は大崎・栗原医療圏であり、大崎市民病院が頑張っています。更に、仙台医療圏の仙塩地域を見ると、仙塩総合病院、仙塩利府病院、坂総合病院等があります。診療科のあるなしで、多少遠方でも富谷市に移転した東北労災病院に紹介することはあるかもしれませんが、多くはないと思われます。黒川郡の人口は、二〇二〇年は約九万四千人、二十年後は約九万三千人、四十年後は八万千人と人口推計が出ています。病診連携が結びついている医療収益について、総合病院によって違いがあると思いますが、県として、一般的な総合病院の病診連携が寄与する収益をどう捉えているのか、富谷市に仮に移転・合築した労災病院の病診連携をどのように数値的に見ているのか、寄与する収益をどの程度に見ているのか、台原現在地で病診連携でお世話になっている地域住民の受皿をどう見ているのか、改めてお尋ねいたします。 仙台市との協議についてお尋ねいたします。 九月十三日付けの「仙台医療圏の四病院再編案における諸課題について」に対し、十一月十日付けで「仙台医療圏の四病院の統合・合築に係る宮城県の考え方」を回答、知事自ら仙台市役所を訪れ、市長とも直接お話をされたと伺っています。その後の市長の臨時及び定例記者会見や、市議会の常任委員会での質疑・答弁などから、市長も市議会も、十分な回答を得られていないと受け止めていることがうかがえます。捉え方は、今まで示している仙台市の意見に対し、真摯に答えてもらわなければ評価できない。「賛成も反対もそれを判断し得る材料が何も県から出ていない」との市長からの発言です。記者の以下の質問に、こうも答えています。「知事が記者会見で合意後に意見交換したいというお話なのですけれども、合意後と言っていることに関してはどのように受け止めていらっしゃいますか」。これに対し、「その基本的な合意というのがどのレベルの合意なのかよく分かりません。それと、どういう合意になるのかということをお示しいただいた上で、その前に整理すべきこと、そしてその後に議論すべきこと、あるのだと思います。そこも何も見えない中で合意後に話をするというのは、これは少しどうなのだろうというふうに思っています」。仙台市の受け止め方について、今後の実務者レベルでの協議について、仙台市長が希望する年度内の知事との協議について、所見を含めお聞かせください。 次に、ウィズコロナについてお尋ねいたします。 第七波が収まり切れないところに、第八波のうねりが起きている現況と思われます。現在主流のオミクロン株も、生物学的には変異やワクチン接種によって致死率が季節性インフルエンザに近づいたとの指摘もありますが、少なくとも、かつてかかったら大変、命が惜しいとの恐怖感、何とも得体が知れない疫病へのおぞましさが薄れた感があり、国の経済を回していくというウィズコロナ政策と相まっての、最近の感染拡大繰り返しと思われます。私は、経済を回すことに反対するものではありませんし、日本メーカーの治療薬も承認される時代となり、まさにウィズコロナ、数年間は一定の流行を繰り返しながら減っていくのではないかとの識者の言もあります。そこでですが、今月初めから、ワクチンの夜間大規模接種が仙台駅近くに開設されたことは高く評価するものですが、国の感染対策がよく見えない中で、宮城県が先日発表したみやぎ医療ひっ迫危機宣言の意味合いについて、お聞かせください。 さて、疫病としての見方の変化は、感染者に対する差別を薄めたという面では良い方向と思いますが、相変わらず疫病扱いの処遇が行われている事実を直視しなければなりません。死亡リスクが低いとはいえ、感染者数が増えるとともに、高齢者を中心に、お亡くなりになる方も増えています。宮城県で亡くなった方は、十二月五日現在、五百五十四人となっており、感染で亡くなった人の遺体は、納体袋に入れられ、だびに付されています。防護服を着た搬送業者が、納体袋ごと棺に入れられた遺体を病院から火葬場に運び、火葬場の告別室で焼香、故人との別れであります。納体袋は、業者によって顔の部分が透明、半透明、見えないものと分かれるようで、告別室においても、最後のお別れをしますかと声がけをしてくれるところと、遺族から申し入れる雰囲気もなく、最後の別れができないところ、様々のようであります。更に、遺体が炉に入り焼かれている時間、通常は待合室で遺族関係者は待つことになりますが、コロナ感染でお亡くなりになった方の遺族は、車で待機となっていると聞きます。県内各地の火葬場で多少の違いはあると思いますが、このような現実があるということ、静岡病院では今春から、新型コロナ患者の遺体に特別な感染対策不要と説明文を添えて、納体袋に入れずに葬儀社に引き渡しています。普通の葬儀をしていいと示す意味のようですが、国の指針があるため、葬儀社側の対応は分かれているようです。全国知事会で国へ要望を上げているようですが、残念ながら、日々お亡くなりになっている方がおり、大切な人を送る遺族の心情を考えれば、県として改善できるところを最大限急ぎやらなければならないと考えますが、知事の所見をお聞かせください。 次に、人口減少社会を迎えた県政の諸課題についてでありますが、初めに、営農ソーラーシェアリング導入についてお尋ねいたします。 東京都の新建築物への太陽光パネル設置義務化や、それに備えての支援策実施が話題になっていますが、宮城県においても、国の財源を使っての事業者用自家消費型大規模太陽光発電導入支援事業の実施等、二〇三〇年度の再生可能エネルギー導入量を三万五千九百六十九テラジュールとする意欲的な目標を掲げております。そういった中で、森林の乱開発抑制対策も県条例で検討中でありますが、人口減少が顕著な農村部においては、広大な水田や畑、そして耕作放棄地も多く抱えている現状があります。無所属の会では、先日、福島県に営農ソーラーシェアリングを進めている、二本松営農ソーラー株式会社を調査してまいりました。市民電力二本松ご当地エネルギーをみんなで考える株式会社と地元生協、それを支えるシンクタンクの三社により運営されている営農型発電会社であります。耕作放棄地であった六ヘクタールの農地を所有して、シャインマスカット等の生産・営農を行い、地上三メートルに九千五百枚のパネルが並び、発電も行って、農業生産とエネルギー生産が相乗効果となる、脱炭素時代の新しい農業と土地利用の実現を目指しているものです。まだまだ始まったばかりの実験的な面はありますが、牧草地利用の垂直営農ソーラー設置等、積極的な展開をしております。営農型太陽光発電の導入について、宮城県でも先駆的に取り組むべきと思いますが、所見をお聞かせください。 次に、サテライトオフィスについてお尋ねいたします。 昨年十二月の日経新聞によると、総務省の二〇二一年春時点の調査で、サテライトオフィス誘致数は、北海道が第一位で八十六社、次いで徳島県が七十七社で第二位。その徳島県は、十一月には八十五社に達し、二〇二二年中には百社超えを視野に入れていると報道されておりました。人口約七十三万人の徳島県は、地上波のテレビ放送が二〇一一年にアナログからデジタルに切り替わる際、放置すれば県民がテレビ難民になりかねないと、ケーブルテレビの視聴用に、過疎の山奥に至るまで光ファイバーケーブル網をめぐらせ、高速通信の基礎をつくったと聞きます。同時に、サテライトオフィス誘致に力を入れ、山間部の神山町に名刺管理サービス会社の進出をきっかけに、十五社が出先のオフィスを構えています。また、県南の海辺の町、美波町には二十一社が進出。サテライトオフィスが本社に変わった例も出ていると伺います。宮城県も、その時点で全国四位、五十二社と検討しておりますが、より高みを目指して誘致を進めていくべきと考えます。宮城県内では、私が知る範囲では、ごく限られた市町にしかサテライトオフィスはありませんし、これも令和三年の受入れ施設整備に対する県のサテライトオフィス整備支援補助金の成果と、翌年のサテライトオフィス進出支援金によるものと思われます。これはこれで高く評価するものでありますが、施設が仙台市に二か所、白石市に一か所と限られ、人口減少等で地域の活性化に頭を悩ませている他の地域の動きが見えません。福島県では、県のほか、多くの市町村でも補助金を用意しておりますし、県として東部、南部、西部の地域ごとに世話役のサテライトオフィスコンシェルジュを配置し、支援しています。民間の力も活用し、宮城県としてもこのような支援策を取るべきと考えますが、所見をお聞かせください。 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴誠にありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 菅間進議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、宮城県美術館リニューアル後に向けてについての御質問にお答えいたします。 初めに、美術館の観光資源化についてのお尋ねにお答えいたします。 美術館のリニューアルにおいては、日本を代表する建築家である前川國男氏が設計した現美術館の建物や土地の価値を、県民の財産として維持・継承していくこととしたところであります。その方針に基づいて、現在、建物・設備の老朽化対策と、社会状況やニーズの変化に対応するための設計が進められていると承知しております。リニューアルされた美術館については、観光資源としても期待しているところであり、近代建築としての価値や魅力を十分発信していくことが重要であると考えております。 次に、新たな県民会館と美術館のギャラリーのすみ分けについての御質問にお答えいたします。 今年八月に公表しました美術館のリニューアル改修の基本設計においては、百九十平方メートル程度のギャラリーを現講堂部分に設置し、主に個人やグループを対象とした展示に対応する空間や設備を設けることを想定しております。一方、現在、基本設計の検討を進めている新県民会館を含む複合施設においては、現美術館の県民ギャラリーや現県民会館の展示室を継承して、引き続き展覧会等が開催できるよう、千平方メートル程度のギャラリーを整備する予定としております。また、文化芸術団体等へのヒアリングにおいて、大規模な展示にも対応できるようにしてほしいとの御要望をいただいていることから、ギャラリーだけではなく、スタジオシアターやスタジオについても、展示の場として活用できるよう検討を進めているところであります。県民の利便性の更なる向上等を図るためには、両施設のすみ分けのみならず、機能連携も重要であることから、引き続き関係部局が協力しながら検討を進めてまいります。 次に、大綱二点目、四病院統合・合築移転問題についての御質問にお答えいたします。 初めに、精神医療センターに係る諸課題への対応と医療行政に対する考え方についてのお尋ねにお答えいたします。 県立精神医療センターは、主に県南部において、外来から入院、退院後まで、訪問看護事業や地域のグループホーム、市町の保健福祉活動等を含めた多様な職種・職域と連携した体制により、地域生活を支えるサポート機能を展開してきたものと認識しております。精神医療センターが移転する場合でも、地域の医療機関や関係機関等と十分に協議し、連携や補完をしながら、必要な機能の確保に努めてまいります。また、移転先を含めて全県的な地域移行の体制や地域包括ケアシステムの在り方について、市町村や地域の医療機関等との連携や人材育成にも取り組みながら、具体化に向けて検討していくことが必要であります。県としては、将来を見据えた医療体制の確立が重要であると考えておりますが、関係者の意見も踏まえた課題解決にも十分に配慮してまいります。 次に、県立精神医療センターの移転が及ぼす影響への認識についての御質問にお答えいたします。 精神科医療における県全体の急性期医療体制につきましては、県立精神医療センターに加えて、各地域での民間病院の対応により維持されているものと認識しております。県といたしましては、県立精神医療センターは、引き続き全県を対象とした精神科スーパー救急を着実に担っていくとともに、各地域の急性期病院との連携や協力の体制が築かれるよう、十分に配慮することが必要だと考えております。 次に、仙台市長及び実務者レベルの協議についての御質問にお答えいたします。 病院再編につきましては、その検討の必要性や新病院の整備候補地、また、新病院の具体像などについて、これまでも御説明してまいりました。更に、仙台市長に対しましては、救急医療の在り方などの点で疑問が寄せられたことから、改めて御説明をしたところであります。仙台市長とは、基本合意により新病院の概要を取りまとめることができましたら、改めて意見交換を行いたいと考えております。また、実務者レベルでの協議につきましては、これまでもデータ分析やアンケート結果の共有を行うほか、救急医療や地域包括ケアなどの課題について、意見交換を重ねているところでございます。 次に、大綱三点目、ウィズコロナについての御質問のうち、みやぎ医療ひっ迫危機宣言の意味合いについてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の感染状況は、十月中旬以降、新規感染者数が増加し、確保病床使用率が六割を超える状況にあるほか、救急搬送困難事案も増加しており、医療の現場からは、深刻な医療逼迫が生じているとの切実な声が寄せられているところであります。このため、先週の対策本部会議において、県民の皆様に対し、危機的な医療の現状をしっかりとお伝えするとともに、社会経済活動を維持しながら、医療の逼迫回避を図ることを目的として、来月十六日までを期限とする、みやぎ医療ひっ迫危機宣言を行ったところであります。年末年始を控え、人との接触機会の増加が見込まれるところでありますが、県民の皆様には、宣言の趣旨を十分に御理解いただき、県民一丸となって感染抑制に取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 企画部長千葉章君。    〔企画部長 千葉 章君登壇〕 ◎企画部長(千葉章君) 大綱四点目、人口減少社会を迎えた県政の諸課題についての御質問のうち、サテライトオフィス誘致についてのお尋ねにお答えいたします。 サテライトオフィスの誘致は、都市部から地方への新たな人の流れをつくるものであり、地域の活性化という観点から重要であると認識しております。そのため県では、賃借料を補助するサテライトオフィス設置推進補助事業を実施しているほか、先月には、東京で開催された総務省主催のセミナーに出展し、移住・定住を含めた支援制度や、県内のシェアオフィスのPRを行ったところです。県としては、引き続き支援制度の活用を促すとともに、県内で事務所用施設--シェアオフィスを設置した民間企業や市町村と連携し、サテライトオフィスの設置を希望する企業等への相談に応じるなど、誘致に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長佐藤靖彦君。    〔環境生活部長 佐藤靖彦君登壇〕 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 大綱一点目、宮城県美術館リニューアル後に向けてについての御質問のうち、新たな県民会館のアトリエ機能についてのお尋ねにお答えいたします。 新県民会館を含む複合施設では、各種文化芸術活動を行う場として、スタジオやアトリエを整備することとしております。アトリエについては、絵画や書道などの創作活動を行う貸しアトリエを想定しており、現段階においては、若手芸術家などの活動支援などの拠点となり得るのは難しいものと考えておりますが、今後、施設の管理運営計画を策定するに当たって、他施設の取組状況や運営体制及び担い手の確保など、様々な視点から育成機能を持たせることが可能か検討してまいります。今回の複合施設の整備においては、創作の場としてのスタジオやアトリエだけでなく、ギャラリーや広いロビーなどを活用した発表の場の提供を通じて、昨年三月策定の基本構想で掲げた「あらゆる人々に開かれた交流・協働・創造の拠点」の基本理念を実現してまいりたいと考えております。 次に、大綱三点目、ウィズコロナについての御質問のうち、コロナ感染で亡くなった方の遺体の取扱いについてのお尋ねにお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方の火葬については、国のガイドラインで非透過性納体袋を使用することが推奨されておりますが、それ以外の特別な感染対策は不要とされており、また、参列者に関しては、一般的な感染対策を講じた上で、濃厚接触者と非濃厚接触者が可能な限り接触しないようにするものとされております。しかしながら、県内の一部の火葬場においては、御遺族等の参列に制限が設けられ、十分なお別れができないまま火葬されている実態があることも承知しております。県といたしましては、各火葬場における運用状況の把握に努め、御遺族等のお気持ちに最大限寄り添った対応が図られるよう、引き続き市町村等に対し働きかけるとともに、国に対しガイドラインの見直しについて求めるなど、必要な対応を行ってまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱二点目、四病院統合・合築移転問題についての御質問のうち、県立がんセンターの研究所機能についてのお尋ねにお答えいたします。 県立がんセンターは、これまでも高度で専門的な医療の提供に向け、センター単独ではなく、大学と連携して医療機能や医療水準の向上に向けた基礎及び臨床研修に取り組んできたところです。このような実態からも、研究機能を東北大学や東北医科薬科大学が中心となって担い、その成果を我が県のがん医療に生かすことで、より大きな成果につなげていきたいと考えております。なお、新病院の医師確保については、東北大学との連携の下で、確実に対応してまいります。 次に、がん相談支援センターについての御質問にお答えいたします。 がん相談支援センターは、地域のがん医療の中核を担うがん診療連携拠点病院等に八か所設置されております。県としましては、現在、県立がんセンターが有しているがん診療連携拠点病院の機能は、新病院に引き継ぐものと考えていることから、がん相談支援センターについても、そのノウハウを継承し、十分に役割を果たせるよう協議してまいります。 次に、地域における周産期医療連携体制の構築とスズキ記念病院との関係についての御質問にお答えいたします。 県内の周産期医療体制は、総合周産期母子医療センターと、二次医療機関である地域周産期母子医療センターが中心となり、地域の分娩施設からの相談に応じるとともに、重症事例等を受け入れているところです。新病院は、広域的な対応を行う三次医療機関である総合周産期母子医療センターを引き継ぐことから、仮に名取市に移転する場合にも、各医療機関の連携により、周産期医療体制が維持されると考えております。このことにつきましては、既に周産期医療協議会においても御了解をいただいております。また、スズキ記念病院におきましても、引き続き地域の分娩を担い、地域の周産期医療を支えていただきたいと考えております。 次に、スーパー救急病棟に慢性期の患者を入院させることの影響についての御質問にお答えいたします。 精神科救急入院料病棟、いわゆるスーパー救急病棟は、年間の入院患者の六割以上が措置入院や医療保護入院等の非自発入院であること、六割以上が三か月以内に自宅退院すること等の要件が課されております。県立精神医療センターでは、想定される最大限の病床数を設定しておりますが、通常時には、一般急性期などの患者も受け入れているところです。 次に、病診連携についての御質問にお答えいたします。 新病院に期待される医療需要について、現在、分析作業を進めており、収益の見通しについても検討しております。東北労災病院が仮に富谷市に移転した場合には、診療圏は富谷市及び黒川郡はもとより、仙台市泉区の北部も含まれるものと考えておりますが、新病院の診療科や機能によっては、より広範囲からの患者を受け入れることも想定されます。また、現在地近隣の診療所からの紹介による患者に対する病院移転後の受皿としては、移転する東北労災病院をはじめ、仙台市内の病院を中心に、患者の意向や紹介先の診療内容により、東北労災病院が責任を持って調整していくものと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 農政部長宮川耕一君。    〔農政部長 宮川耕一君登壇〕 ◎農政部長(宮川耕一君) 大綱四点目、人口減少社会を迎えた県政の諸課題についての御質問のうち、営農型太陽光発電の導入に向けた取組についてのお尋ねにお答えいたします。 農村地域における太陽光発電の導入は、二酸化炭素の排出削減はもとより、農業者の収益向上、荒廃農地の有効活用など、同地域の経済的な自立と活性化にも資するものであると認識しております。県内では、令和二年度末までに、太陽光発電施設用地として五百十二ヘクタールの農地が転用されており、また、太陽光パネルの下で作物を栽培する営農型太陽光発電も、農地転用が必要なパネルの支柱部分と、農地転用が不要な栽培部分を合わせた、二十四・六ヘクタールで行われております。営農型太陽光発電については、これまでのところ、日照不足による農作物の生育障害が見られるほか、パネルの支柱が農業機械の効率的な活用を妨げるなどの課題もあり、現在、国などにおいて、新技術の実証試験に取り組んでいるところです。県といたしましては、優良農地の確保に努めることを基本としつつ、国の実証試験の成果も踏まえながら、農業者の収益向上と農業・農村の振興につながるよう、関係機関と連携し、営農型も含む太陽光発電の活用を支援してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱一点目、宮城県美術館リニューアル後に向けてについての御質問のうち、リニューアル後の美術館における前川建築の概要の紹介等についてのお尋ねにお答えいたします。 リニューアル後の館内掲示物等も含めたサイン計画やホームページなどによる広報・情報発信については、美術館職員を中心に検討しているところですが、美術館の建築の特徴を紹介することについても、併せて検討していきたいと考えております。また、ペントハウスの現在の仕様は、当該箇所を修繕する際に、最も適切な方法が選択されたものと認識しているところであり、今回のリニューアルでは、現在、建物の各部で進んでいる経年劣化箇所の修繕等によって、耐久性の向上、施設機能や美観の維持向上を図っていくこととしていることから、外壁については、破損や汚損がある箇所について、その状態に応じた補修や洗浄を実施していくこととしております。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 四十二番菅間進君。 ◆四十二番(菅間進君) 答弁ありがとうございました。何点か再質問をさせていただきたいと思います。 まず、県立がんセンターについてでありますが、部長のほうから従来どおりのお答えしか戻ってこない。東北大学と東北医科薬科大学にその研究のところをということで、ちょっとごもごもとして聞こえなかった部分があるのですが、全くその研究所の機能を東北大学と東北医科薬科大学にもう移すということなのですか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 方針がまだ確定しているわけではありませんけれども、先ほど答弁いたしましたのは、研究機能を東北大学や東北医科薬科大学が中心となって担い、その成果を県全体のがん医療に生かすことで、より大きな成果につなげていきたいという方向性を考えております。 ◎知事(村井嘉浩君) 四十二番菅間進君。 ◆四十二番(菅間進君) より大きな研究成果ということですけれど、私ははっきり移すのですかと聞いて、まだ最終的には決定していないということで、僅かな望みを抱くわけでありますが、県立がんセンターのあり方検討会議の報告書とは全く違う方向ですよね。課題解決に向けた目指すべき方向性、七項目あります。そこに七項「若手医師の育成・能力向上のため、医育機関からの意向を踏まえ、幅広く経験が積め、将来のキャリア形成が図れる病院を目指すべき」と書いていますし、六項には「研究所が持つ高度な機能については、移転となった場合でも、がんゲノム医療など、今後急速に変化が見込まれるがん医療に対応できる形で継続すべきである」、二項には、六項で述べた医療機能を維持し、「宮城県の責任においてがん医療に特色を持たせた病院とするべきである」と書かれています。一項には「治療が高度化することを踏まえて、がんセンターの医療機能を強化し、「がんを総合的に診療できる機能を有する病院」とすることが必要である」、そして、有する病院とは「従来の総合病院ではなく、高齢化するがん患者に対し、高度化するがん医療を至適に提供できる診療体制を有する病院を意味する」と書かれているわけです。そうすると、やはり先ほど申し上げましたように、研究機能がないがんセンターというのは、普通の総合病院に近くなってくるのではないかと。若手医師も集まらなくなってくる。だから、県のがんに対する、県民に対する責任は、もう東北大と東北医科薬科大学に任せますよと。あとはある程度公的な民間の総合病院のがん治療に任せるよということと捉えるしかない。そういう方向でいいのですか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 今議員から、県立がんセンターの今後の在り方に関する報告書の御紹介をいただきました。この報告書は、まだ病院の検討の枠組みが決まる前の段階での専門家の意見を取りまとめたものでありましたけれども、確かに、お話のように研究所についても言及されております。ただ、この報告書の中では、がんセンターそのものについて、他の医療機関との連携・統合についても検討を行うという前提のもとに、研究所についても「高度な研究や教育などを行っているが、今後、研究所の機能について、検討を行う必要がある」ということが述べられております。それで現在、がんセンターの研究所が評価されていることについては、毎年の評価委員会でも委員のほうから評価されておりまして、非常に高い成果が出ているというふうに我々も認識しております。ただ、今後何十年先も見据えたときに、果たして県立病院がそれを担うべきかどうか。医療の内容、研究の内容も変わってまいります。そういうことを考えた場合に、県として持つべきかどうかということは、やはり検討しなければいけないと思います。それからもう一点、現場で重視しているのは、研究所があることによって、若手の優秀な経験者が集まっているということを指摘しておられます。この点については先ほど答弁で申しましたが、東北大学の連携の下で、医師の確保はしっかりと確実に対応してまいりたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 四十二番菅間進君。 ◆四十二番(菅間進君) 現場は、東北大の手配で集まるか集まらないかというのは、医者の意思ですよ。それはそういうふうにやったって、結局集まらないというようなことになりかねない。そういうことを指摘したいと思います。本当に他の病院と、要するに三項の「他の医療機関との連携・統合についても検討を行うべきである」だけを切り取って、先にまず統合ありきというところで動いているようにしか、私は取れないのですよね。あと、やはり東北医科薬科大学も総合病院ですよ。東北大学はもうスーパー総合病院というか、まさに大学病院。東北医科薬科大学も医科薬科大学でありますから、それはもうすばらしい大学病院であります。しかし、がんセンターと違って、がん専門ではないのです。ほかの医療もやっていくわけですよ。その中で、研究所機能が本当にがんセンターと同じような形でやれるのですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) はい、やれると思います。 ○議長(菊地恵一君) 四十二番菅間進君。 ◆四十二番(菅間進君) いや、知事はそういうふうにおっしゃったけど、やれなかった場合どうするのかといったら、もう本当に大変なことだと思いますよ。それはそういうふうに言明しているのだから。それ以上のことを私は言うことはないわけでありますから。私の立場からすれば、ぜひそこのところはじっくり吟味していただかなければいけないというふうに思います。 続きまして、宮城県精神科病院協会からいろいろと出てきているわけですけれど、現実的に考えた場合、例えば、興奮状態の患者の搬送は救急隊から断られるため、多くは家族が連れていくしかないので、結果的に遠方から移送することが極めて困難であり、精神医療センターがどこに移転しても、その恩恵にあずかれるのは、近隣に住む人に限定されるものと考えられるとしております。また、現センターへの救急患者は、仙台市からが多いことが指摘されており、移転したとしても、仙台市の利用が高い現状は変わらず、他市町村の利用が上がるとも想定することはできない等々出ているわけでありますが、それをどういうふうに見ているのですか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) お話のように、宮城県精神科病院協会から意見書をいただいております。精神科あるいは精神科救急の特性を、もっと県として理解して議論を進めよというふうな趣旨だと思っております。今議員がお話ししましたように、例えば措置入院にしても、必ずしも距離だけの問題ではないということもあろうかと思います。ただ、我々としては、現状、措置入院が仙台市、それから、どちらかというと県の南部からの患者さんに多いということがあります。県精神医療センターが二十四時間三百六十五日救急をやっているということもあって多く受け入れているという面はあろうと思いますけれども、やはり県北部のほうからも措置入院等の搬送ができるということが望ましいと思っております。それに加えまして、例えば、県の今後の精神医療の在り方を考えますと、地域包括ケアでありますとか、児童・思春期外来、依存症、災害精神医療といったことについても、センターとしての役割を果たすために、県の中央部が望ましいと考えているところでございます。 ○議長(菊地恵一君) 四十二番菅間進君。 ◆四十二番(菅間進君) センターというのは、地理的な中心には限らない。精神医療を考えたときに、センター機能がしっかりと機能することがセンターだというふうに私は思っています。精神医療については、まさにそこが肝腎ではないかと。それをするためにどうするのかということで、知事が県民のために一番役に立つことがいいのだと、メリットがあることがいいのだと言うことについては、私も同じですよ。しかし、精神医療センターについては、富谷市が中心だというふうにおっしゃっていますけれど、私はいわゆるセンター機能が大事だと思います。その件について、見解を知事に求めます。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 場所もさることながら、問題は、機能として中心的な役割を果たすかどうか。それも当然のことだというふうに思います。先ほど部長が答弁したように、県立精神医療センターは、県内唯一のスーパー救急病棟を持つ精神救急の病院であり、二十四時間救急であります。現在、年間の入院患者のうち、六割以上が措置入院、そして、医療保護入院等の非自発入院、つまり本人の意思にかかわらず入院をしていただいておりますので、これが仙台の南から仙台の北に行ったからといって、恐らくその割合が変わることはないだろうと思います。南にお住まいの方にずっとスポットが当たっているのですけれども、全県から今、南のほうに患者が集まってきております。もちろん、割合としては南の方のほうが多いのは間違いないのですけれども、それは今後、仙台赤十字病院とがんセンターの話の中で、どうフォローしていくのかということも考え合わせていかなければならないと思っております。したがって、私としては、富谷市に持っていったからといって、機能としての中心的な役割が損なわれることはないというふうに思っております。これは私の思いだけではなくて、しっかりと県もコンサルを入れ、そして両病院、仙台赤十字病院も東北労災病院もコンサルを入れて、ともにいろんな角度からお互い協議をしているということでございます。安直にどこかか誰かに任せればいいということではなくて、しっかり全体を分析しながらやっている。だから時間がかかっているし、いろんなことで変わってくる可能性があるので、表になかなか出せないと。ある程度報告ができるまで出せないということでございますので、どうか御理解いただきたいと思います。 ◆四十二番(菅間進君) 終わります。 ○議長(菊地恵一君) 五十八番藤倉知格君。    〔五十八番 藤倉知格君登壇〕 ◆五十八番(藤倉知格君) 前者の質問と重複する部分もございますが、通告の順に従いまして、質問してまいります。 持続可能な地域医療の実現に向け、県が進める四病院再編については、精神医療センターの移転への反対や懸念の立場から患者の声を伝えたいとして、移転反対の署名が始まったこと、移転に伴って県南部の精神科医療に不利益が生じないかとして、精神神経科診療所協会が県に公開質問状を送付したこと、長年かけて築いてきた地域包括ケア体制が崩れかねないとの関係者の声も報じられています。また、市内から二つの病院が移転する仙台市からは、救急医療への影響について重ねて不安の声が寄せられ、県からの回答を受けた郡市長は、十分な回答ではなかったとして、市民にとって必要な医療提供体制が確保されるように県に求めていきたいとコメントしています。昨年九月の協議開始の発表から、一年三か月が経過しました。この間、県からは、仙台医療圏の救急医療の課題解決や全県を視野に入れた精神科救急の体制強化など、政策医療の課題解決を目指すとの説明がなされてきました。一方、協議が進む中で、県立がんセンターと県立精神医療センターが担ってきた機能を新病院でどこまで担うのか、更には、大学病院や地域の医療体制との連携が具体的にどのような形になるのか情報が十分でないこと、更に、機能強化と言いながら、いま一つ具体像が見えないこともあり、不安や懸念の声が大きくなる要因となっています。まず、移転に大きな不安の声が上がっている県立精神医療センターについて、これまで県南地区で担ってきた役割や機能については、どのように評価しているのでしょうか。医療と福祉が連携して、長い年月をかけて構築してきた地域包括ケアシステム、また、仙南地域の急性期入院治療について、それらを担ってきた精神医療センターが移転した場合にしっかりと担保されるのか。また、精神科医療救急のメリット、移転後の身体合併症、複数疾患への対応について伺っておきます。 これまでの取組を通じて、移転するに当たり慎重な検討や十分な配慮が必要な事柄を一つ一つ克服しながら、将来を見据えて移転が必要だと考えるとすれば、今後の精神科医療と県立精神医療センターの在り方について、どのような効果が期待できると想定しているのか伺います。 県は、十一月十七日に開催された救急医療協議会において、仙台医療圏全体としてバランスの取れた救急医療体制を目指すために、仙台医療圏全体の受入れ能力向上、病院群輪番制広域化の検討、回復期病床の確保・充実の三点を挙げたと報じられています。私は、六月県議会においても救急医療体制の確保について取り上げましたが、その後の進捗、具体化された内容を踏まえ、以下お尋ねいたします。 まず、受入れ能力の向上、広域化により県が目指す仙台医療圏の救急医療体制の姿について、その体制、県の役割などについてお聞かせください。 次に、地域医療構想においても大きく不足する回復期病床の確保・充実については、これまでの動向を見ても容易なことではないと思いますが、具体にはどのように取り組むのか伺います。 協議会においては、委員から救急医療体制の強化に向けて様々な意見があったようですが、これらの意見を踏まえ、どのような対応を考えているのでしょうか。 さて、病院再編をめぐるテーマは、広く医療関係者をはじめ、医療を必要とする人々にとっては、自分の命や生活に直結する大きな問題です。神は細部に宿ると言われるとおり、再編を進める県は、様々な不安や懸念の声を丁寧に拾い上げ、必要な対応を着実に進めるプロセスを経ることで完成度が高まり、結果として再編が地域医療の課題を解決して、将来的に持続可能な地域医療確保につながっていくものと確信し、強く期待をいたしております。 さて、仙台医療圏再編構想に伴い、富谷市への病院移転を視野に、通院・通勤等の交通アクセス整備について、富谷市議会においても早速問題提起されています。若生市長は議会答弁で、新病院へのアクセスについては、直行便の新設や増便、市民バスの延長、泉中央駅と病院をつなぐシャトルバスの運行支援、更には、調査を進めている泉中央駅から明石台地区までの地下鉄整備の事業化に向けた検討に加え、都市計画道路宮沢根白石線の未整備区間の整備促進に取り組むとしています。ちなみにこの路線は、遡ること実に昭和四十八年の半世紀前、仙台市と当時の富谷町が幅員二十五メートルで都市計画決定済みであり、国土交通省の社会資本整備総合交付金で事業費の二分の一、残りの二分の一は当該自治体の負担配分の協議が整えば、事業開始可能との情報を得ています。しかもこの案件は、実は泉区松陵からは、既に十年以上も前からの要望事項でもあり、仙台市・富谷市広域行政協議会として国、県に整備要望をしています。ちなみに、新病院の立地予定地の富谷市明石台から仙台市松陵までは、僅か一・八キロメートルの至近距離の区間となります。これまでの経過を含め、るる述べてきましたが、御案内のとおり、近年、仙台市・富谷市広域行政協議会エリアは、人口増と深刻な交通渋滞等の課題が恒常化している地域であり、早期整備が待たれています。都市計画道路宮沢根白石線の未整備区間解消に関する重要性についての県の現状認識、これまでの対応、整備促進に向けた国、仙台市等への取組強化について伺います。 公共関与による新たな産業廃棄物最終処分場問題をめぐっては、これまでの一般質問で三度取り上げ、地元住民の様々な不安、懸念、疑問、課題等について指摘してきました。処分場問題については、今定例会の知事説明において、令和九年度中の運用開始を目指し、所定の手続を進める旨、言及があったところです。さて、昨年六月以降、候補地に選定された大和町鶴巣地区を対象とした住民説明会が始まり、地区住民にとっては重苦しい苦渋の経過をたどりながら、去る九月二十七日、県、そして環境事業公社と大和町の三者により、整備基本協定を締結するに至りました。その前段の九月二十二日には、最終処分場の整備に関する鶴巣区長会議が開催され、その席上、村井知事からはおおむね、現処分場クリーンプラザみやぎの埋立て可能量が逼迫していること、その準備に着手するためには、新処分場の早期決定は県政の最重要課題であるとして、ぜひ理解を賜りたいとの挨拶がありました。浅野大和町長からは、これまで重ねられてきた町議会や住民説明会等の経過を踏まえ、断腸の思いで容認する旨が示され、各区長からは、一部異論を含め苦しい胸の内が披瀝されましたが、最終的には全体として、事実上容認やむなしとなりました。さて、この基本協定締結に至るプロセスの中には、都合大小四十回を数える住民説明会が重ねられ、時に激烈な不満や反発が繰り出され、紛糾を余儀なくされる場面がしばしばありました。特に鶴巣地区には既に四十三年間にわたり処分場が立地しており、なぜまた大和町、しかも同じ鶴巣なのかというふんまんやる方ない反発があったことは、むしろ当然のことでした。その間、区長会名で新処分場に反対する署名活動が行われ、新処分場建設反対の要請書が大和町と同町議会に提出され、これは知事の下にも届けられました。私自身、地元県議としてこのような地域の実情を熟知する立場であるだけに、地区住民の心情を推しはかるとき、うたた痛切の念を禁じ得ません。以上のような地区住民にとっては様々なつらい経過をたどりながら、基本協定締結に至った苦悶の経緯を、知事はどのように受け止め、評価、総括し、積み残された懸念や課題解消に向き合っていくのか、その覚悟と決意のほどを伺っておきます。 十一月三十日には改めて、浅野町長同行の下、町議会議長と関係議員団が公共関与による新産業廃棄物最終処分場の整備に関する意見書を知事に提出。協定締結までのシビアなプロセスを踏まえ、当該地域課題にしっかり取り組むよう要請しました。その上で、区長会、地域振興協議会や住民説明会等で取り上げられた多岐にわたる懸念への対策や要望等を集約した、都合三十六項目の処分場周辺地域環境整備事業の完全履行及び各行政区への地域振興助成制度等の具体化に向けて、県の誠実かつ着実な取組を強く求めるものです。 報道等によると、去る十月五日、吉田川流域の七市町村や国、県等でつくる吉田川流域治水部会の会合の席上、二〇一九年の台風十九号や今年七月の記録的大雨による被害を踏まえ、上流と下流、本川と支川での流域治水を一体的に進めるためとして、国の特定都市河川の指定を目指す方向性が示されました。河川改修や排水機場の強化、遊水地や田んぼダムによる雨水貯留対策、避難路の確保などの施策の実施に向け、東北地方整備局北上川下流河川事務所が、流域治水関連法に基づく特定都市河川への指定を提案しました。特定都市河川は、平成十六年に施行後、現在、全国の都市部を中心に十一水系百二十六か所が指定されていますが、昨年の法改正で指定要件が緩和され、大都市部に加えて、川幅が狭くリスクの高い河川を含め、全国の河川に広げる方針とのことです。先月三十日には第三回部会が開かれ、関係市町村や県は、指定に向けた申請手続を進めることが了承されました。県、市町村などの正式な法定意見聴取を経て、目標の本年度末の指定となれば、東北初とのことです。しかし、今回の指定に向けた一連の経過については、いささか整備局主導による唐突の感を否めません。それだけに、実際の現場となる関係市町村にとって、指定によるメリットや事業内容に対する理解や周知が必要ですが、このことについての県の認識や対応を伺います。 指定に際し、地形的に吉田川流域と一体となった対策が必要な、知事指定の二級河川である高城川や鶴田川流域の指定に向けた見通しについては、県としてどのように捉えているのでしょうか。指定により、流域治水の取組が一層促進されることを強く期待しますが、特に河川整備や下水道整備などに係る予算上のメリットを具体的にどのように捉えているのか、伺います。 村井知事は、大規模な森林開発の抑制と発電施設の適地誘導の両立を目指すためとして、さきの定例会で独自課税の導入方針を表明したことは、あるマスコミ記事の表現を借りれば、村井知事の相場感を覆すような英断として、私は高く評価する一人です。現在、制度設計を検討する税制研究会で、新規導入に向けた論点や課題を洗い出し、二〇二四年四月の独自課税導入を目指すとしています。しかし、条例制定、施行までには時間を要すること、また、現行の法令で森林開発を抑制するには限界があることから、現在、既に計画されている山林での再エネ施設開発に対しても、環境破壊や地域住民の安全・安心の観点から、特にリスクが高いと思われるケースについては、県として何らかの対策を講じる必要があると考えますが、いかがでしょうか。 例えば加美町では、奥羽山脈の尾根筋に百数十メートルから二百メートルの高さの風車が最大約百七十四基建設される、合計六つの大規模事業が計画され、その中には既に着工しているものもあります。計画地は水源涵養保安林、土砂崩壊防備保安林であり、緑の回廊を含む国有林、宮城県や地元自治体の水源保全条例の保全区域などが含まれています。地質学的にも、宮城山形北部風力発電計画地域には、無数の地滑り地帯が散在しており、このような地形の上に風車を設置するのは危険であるとの専門家の指摘もあります。この点に関しては、令和元年実施の宮城県環境影響評価技術審査会でも既に議論されており、それを踏まえた「事業実施に伴う改変が周辺の土砂災害等を誘発する可能性について、適切に調査、予測及び評価を行い、その結果を踏まえ、事業区域の見直しを含めて、十分な対策を検討すること」、また、「尾根筋等の開発に伴う水害や土砂災害の発生による影響等を、防災の観点からも検討すること」という知事意見も出されています。現在、加美郡で工事が進んでいる宮城加美町ウインドファームでは、二〇二一年十二月、町道への土砂流出事故が起きましたが、関係機関や住民への報告は遅れ、説明も不十分だったとのことです。この計画の環境アセスの際も、方法書に対する宮城県知事意見として「対象事業実施区域の一部は漆沢ダムの集水域に位置しているため、地形改変による土砂流出の影響を考慮し、対策を検討すること」等が指摘されていましたが、十分な対策が講じられているかは疑問です。森林を伐採して、再エネ開発が土砂災害を誘発し、広く流域住民に被害をもたらす危険性があることを、県として重く受け止め、崩落事故や今後の工事のダムへの影響を改めて慎重に調査するなどの必要性を感じますが、対応を伺います。 大規模な森林開発を伴う再エネ施設は、一たび事故が起これば、住民の生命にも直結する被害が発生しかねません。しかし、残念ながら、そのような懸念のある場所で開発計画が進行しているのが現実です。自然環境の激変を招く過度な森林開発から、豊かな生態系や人命を守るため、県として国や事業者に働きかけ、森林開発の規制や基準の見直しなど、一歩踏み込んだ対策が求められると考えますが、県の認識及び対応を伺います。 さて、県内では加美町、色麻町、蔵王町、川崎町、丸森町、大崎市その他の地域で、その濃淡、強弱を含め、風力発電施設を中心とする再エネ施設建設反対運動や、自治体による明確な反対表明等の動きが顕在化しています。昨日は、大崎市長が東北大六角牧場での大型風力発電施設の建設計画に反対の意向を知事に伝え、県も反対するよう要請書を提出したことが報じられています。渡り鳥の飛来ルート、景観、環境破壊、土砂災害等々を懸念する声は広がりを見せています。これらの課題に関連して、先日の渡辺勝幸議員の一般質問における正鵠を射る指摘のとおり、課税や規制強化に加え、再エネ施設を適地誘導する支援策について言及がありました。しかし、適地に誘導するためには、そもそも肝腎要の適地とは何か、適地とはどこかという、適地の要件やコンセプトに関するガイドラインを可能な限り提示することが欠かせないと思いますが、見解を伺います。 さて、近年の生命科学や各種先端の学問分野の成果には、目を見張るものがあります。例えば、広大な森林地帯や海洋生物をはじめ、地球上のあらゆる動植物、昆虫、あるいは無数の菌類、細菌、ウイルス、花粉、胞子等に至るまで、あらゆる生命体は関連、循環し、影響し合うことで共生しているメカニズムが解明されつつあります。これらのメカニズムは、地球の気象現象を左右している事実まで究明されています。北海道、北東北の縄文遺跡群がユネスコの世界文化遺産に登録されていますが、その縄文文化の基層、核をなしているのは、森の豊かな生態系の中で形成されたものです。豊穣の森の生態系、森林がもたらすエコロジーは、森羅万象、全ての動植物、無機物を問わず、自然界の中に宿る霊性を見いだす、アニミズムという世界感があります。十九世紀後半、イギリスの人類学者エドワード・バーネット・タイラーが提唱、定着させました。アニミズムの語源はラテン語のアニマで、アニメーションはこれに由来します。日本では、精霊信仰などと訳されています。地球温暖化に伴う気候変動は、大干ばつ、大規模な暴風雨等、世界各地に極端な災害をもたらし、刻々その危機的状況の度合いを高めています。地球規模の生態系、あらゆる生命体の循環のメカニズムの源泉であり象徴でもある森林を守る思想は、今紹介しましたアニミズムの世界間に通じるとともに、極めて現代的な命題を含んでいると思っています。 以上、演壇からの一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 藤倉知格議員の一般質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、仙台医療圏四病院再編構想についての御質問にお答えいたします。 初めに、県立精神医療センターがこれまで担ってきた役割や機能に対する評価についてのお尋ねにお答えいたします。 県立精神医療センターは、全県にわたる精神科救急医療や児童思春期精神科医療を提供するとともに、長い年月をかけてグループホームなどとの連携体制を築き、特に県南部において大きな役割を果たしてきたと評価しております。一方で、県立精神医療センターの将来に向けた役割や機能に関しましては、県の高度精神医療を担ってきたセンターとして、精神科救急医療や児童思春期精神科医療に加え、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を県全体で取り組んでいくことが求められていることから、地域の実情も踏まえながら、他の医療機関や市町村等と連携して、全県的な体制整備を目指してまいりたいと考えております。 次に、地域包括ケアシステムや仙南地域の急性期入院治療が担保されるのか、また、精神科救急医療のメリットなどについての御質問にお答えいたします。 地域包括ケアシステムにつきましては、患者や家族の方々が必要なサービスを継続して受けることができる体制が重要であると考えておりますので、地域の医療機関との連携や人材育成にも取組ながら、関係者と十分に調整を図ってまいります。また、急性期入院治療については、県の高度精神医療を担ってきたセンターとして、全県を視野に充実を図っていくことが求められていることから、県の中央部に整備することにより、従来の県南部からの患者の受入れに加えて、県北部等からの対応困難症例の受入れができるものと考えております。県立精神医療センターの移転・合築による精神科救急のメリットにつきましては、新病院との密接な連携により、円滑な救急対応や相互の往診が可能となり、従来では対応できなかった複雑な身体合併症にも対応できる精神医療体制の強化が図られるものと考えております。身体合併症や複数疾患への対応につきましては、岩手県の南光病院と磐井病院の事例も踏まえながら、密接に連携ができるよう、引き続き検討してまいります。 次に、県立精神医療センター移転の効果についての御質問にお答えいたします。 県としましては、これまで県立精神医療センターが県南部を中心に構築してきた地域包括ケアシステムの体制づくりや、精神科救急を中心に担ってきた役割に加えて、他の医療機関や市町村等と連携しながら、全県的な体制整備を目指すべきと考えております。今後、県立精神医療センターがこれまで果たしてきた役割を全県的に展開していくことで、県全体として、医療機関の機能分担や協力体制の強化につながるものと考えております。 次に、大綱三点目、新たな産業廃棄物最終処分場問題についての御質問にお答えいたします。 初めに、県政の喫緊の課題であった新たな最終処分場の整備について、御理解を賜りました大和町並びに鶴巣地区の皆様には、この場をお借りいたしまして、改めて心より感謝を申し上げます。産業廃棄物最終処分場は、長年にわたる安全な管理が求められることから、整備候補地についても、外部有識者等の御意見を踏まえ、約一年をかけて慎重に選定いたしました。結果として、鶴巣地区の皆様に更なる御協力をお願いすることとなり、協議の過程で様々な御心配や御負担をおかけしたことは、私自身も大変重く受け止めております。県といたしましては、処分場整備に伴う懸念や課題などを丁寧にお聞かせいただき、県及び宮城県環境事業公社としてできる対策を真剣に考え、御説明や意見交換を重ねることで一定の御理解を賜り、基本協定の締結等に至ったものと認識しております。現在も、処分場整備に不安を持つ方がおられることを肝に銘じ、引き続き地区の皆様とのよりよい関係づくりに努め、お約束した処分場の整備・運営に係る安全対策はもとより、地区の課題解決や発展についても、しっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱五点目、再生エネルギー導入と環境保全等の両立に向けてについての御質問のうち、既に計画済みの再エネ発電施設に対する対策についてのお尋ねにお答えいたします。 私は、先人たちが大切に守ってきた県民共有の財産である森林や景観の保全などに最大限配慮しながら、地域と共生した再生可能エネルギーの普及拡大を図ることが非常に重要であると認識しております。新税については、令和六年四月までの導入を目指し、現在、税の専門家などで構成される税制研究会等において、税率など具体的な制度の中身などについて検討しておりますが、丁寧に議論を行いながらも、できるだけ早期に導入できるよう、手続を進めてまいります。また、土砂災害のリスクがある場所への再エネ施設の設置は望ましくないことから、国に対して、FIT認定から除外するよう要望するとともに、今年十月に施行した太陽光発電施設の設置等に関する条例においては、設置規制区域としたところであります。今後とも、それぞれの事業計画におけるリスクを見極めながら、森林法等関連法令に基づき、事業者に必要な指導を的確に行うことなどにより、事業の適切性の確保に努めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長佐藤靖彦君。    〔環境生活部長 佐藤靖彦君登壇〕 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 大綱五点目、再生エネルギー導入と環境保全等の両立に向けての御質問のうち、森林での再エネ開発における土砂災害等の影響調査についてのお尋ねにお答えいたします。 森林開発を伴う大規模再エネ発電施設導入に当たっては、環境影響評価法に基づき、土地の改変による影響について専門家に審査いただき、事業者自らが行う環境保全措置に対し必要な指摘を行い、事業計画の改善を促しております。また、林地開発許可においては、事業者にのり面保護の適切な実施や排水処理施設等の設置などによる災害防止対策を義務づけております。御指摘のありました宮城山形北部風力発電事業については、今後、環境影響評価法における準備書の段階で、土砂災害への対策も含めて、知事意見等の反映状況を再度審査する予定です。また、みやぎ加美町ウインドファーム事業における表土流出事故については、林地開発許可制度に基づき、事業者に対し、早急な対策工と再発防止策の実施を指導し、これらの対策が講じられていることを確認しております。県としましては、今後とも、環境影響評価の各段階において、土砂災害や周辺環境への影響等について、専門家の指摘を踏まえ、事業者に対ししっかりと意見を述べるとともに、林地開発許可制度に基づく工事の安全な施工管理を指導し、再エネ事業の開発による土砂災害等の発生防止を徹底してまいります。 次に、森林開発の規制や基準の見直しなどの一歩踏み込んだ対策についての御質問にお答えいたします。 再エネ施設の事業計画をめぐっては、土砂災害や景観、環境への影響等を懸念する県民の声は大きく、反対の要望も多いことから、地域との共生を図りつつ、再エネの最大限の導入と環境保全の両立を目指す対策が求められているものと認識しております。このため、これまで、太陽光発電施設の設置等に関する条例の制定や、環境影響評価条例の一部見直しなどに取り組んできましたが、地方自治体による規制強化の手法には限界があると考え、今回、新たな税の導入を検討するに至ったところです。一方、国においても、災害や環境への影響などへの懸念に適切に対応するため、再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理の在り方に関する検討会を設置し、今年十月に、太陽光発電に係る林地開発許可の対象基準の引下げや、関係法令の許認可取得をFIT申請の要件とするなどの提言を取りまとめたところです。県としましては、当該提言に対して、庁内の意見を集約し、FIT認定における自治体や住民の意見聴取制度の創設等について国に要望するなどの対応を行ってきましたが、今後も動向を注視し、必要に応じて国への働きかけを行うとともに、既存法令に基づき、事業者への適切な指導を行ってまいります。 次に、再エネ施設の適地誘導に向けたガイドラインについての御質問にお答えいたします。 新税は、森林を開発した用地等に設置する再エネ施設に対し課税を行い、経済的な負担が重くなる状況をつくり出すことにより、大規模森林開発の抑制と森林以外への適地誘導を図り、地域と共生する再エネ施設の設置を促進することを目的としております。誘導先の具体的なイメージは、平野や沿岸部における未利用地やため池、あるいは太陽光発電施設では、住宅や事業所の屋根等を想定しており、更に、森林を開発する場合であっても、地球温暖化対策推進法の改正により市町村が定めることができるようになった促進区域に設置する場合は、非課税とすることにより、当該区域に誘導したいと考えております。県といたしましては、市町村が再エネの導入ポテンシャル、環境や景観等の地域の実情、住民の意向などを的確に踏まえ、円滑に促進区域を指定できるよう、国のマニュアル等の活用や他自治体の好事例の情報提供などを行いながら、市町村の取組をしっかりと支援してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、仙台医療圏四病院再編構想についての御質問のうち、県が目指す仙台医療圏の救急医療の姿についてのお尋ねにお答えいたします。 救急医療体制については、行政の区域を越えて、医療圏全体で考えることが重要であると考えております。具体的には、新病院が救急医療機能を強化することで医療圏全体として受入れ能力を向上すること、また、医療圏全体で再編後の救急医療体制を活用することで搬送の円滑化を実現すること、更には、回復期病床の確保・充実により救急患者受入れ能力の向上を図ることにより、仙台医療圏全体としてバランスの取れた質の高い救急医療体制の確保を目指しております。この考え方は、先月十七日の救急医療協議会でも、議題として御説明したところです。実現に当たっては、市町村や医療、消防の関係者の連携と協力が不可欠であると考えており、県といたしましては、関係者からの協力が得られるよう、広域的な調整を行ってまいります。 次に、回復期病床の確保についての御質問にお答えいたします。 宮城県地域医療構想で推計した仙台医療圏における回復期病床の必要病床数は、二〇二五年では三千八百九十九床となっているのに対して、二〇二一年時点で回復期病床として報告されているのは千五百十六床にとどまっており、回復期病床の確保は大きな課題であると認識しております。このため、県では、地域ごとに地域医療構想調整会議を開催して、医療機関などの関係者とともに地域医療構想の実現に向けた議論を進めるとともに、回復期への機能転換を行う場合には、必要な施設や設備の整備などに対する財政的な支援をしているところです。また、来年一月には、県内医療機関を対象としたセミナーを開催し、地域医療構想を踏まえた回復期への機能転換の必要性について、外部有識者から御説明をいただくことで、県内医療機関等の理解と自主的な取組を促進する契機にしたいと考えております。 次に、救急医療協議会における意見への対応についての御質問にお答えいたします。 先月の救急医療協議会では、救急科専門医など人材の充実や、回復期病院の受入れ体制の強化及び円滑な連携体制の整備などについて、意見をいただいたところです。新病院の担う役割に対する期待と併せて、救急科専門医や総合診療医など、救急の現場で幅広く対応できる医師の養成や配置に取り組むほか、搬送基準や調整方法の見直しなどを含めた救急体制の在り方も検討し、救急医療体制の強化に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱二点目、都市計画道路宮沢根白石線の未整備区間の解消についての御質問にお答えいたします。 都市計画道路宮沢根白石線の富谷市明石台から仙台市泉区松陵までの未整備区間については、現在、沿線において行われている、新病院の候補地を含む新たな市街地の整備により、今後の交通量増加が予想されることから、道路整備の必要性が一層高まっていくものと認識しております。当該区間については、これまで、仙台市・富谷市広域行政協議会などから整備についての要望を受けるなど、様々な場面で機会を捉え、両市と意見交換を行ってきたところです。県といたしましては、当路線は仙台都心部と富谷市を結ぶ幹線道路でありますことから、引き続き両市の意見を十分伺ってまいります。 次に、大綱四点目、吉田川の特定都市河川指定に向けてについての御質問のうち、関係市町村への周知や今後の対応についてのお尋ねにお答えいたします。 流域の浸水被害防止対策を推進する特定都市河川の指定は、あらゆる関係者が協働して取り組む流域治水の実効性を高めるため、国では昨年、都市部の河川に加え、全国の河川に適用が可能となるよう、指定要件の拡大を行ったところです。これを受けて県では、国と連携して、昨年から、市町村担当者の説明会や流域の関係者で構成する各流域治水協議会において、制度改正の概要や施設整備に対する補助金のかさ上げなどのメリットについて周知を図ってまいりました。吉田川においては、今年八月に、国、県、市町村などが連携し、流域治水をより具体的・機動的に進めていくため、吉田川流域治水部会を設置し、特定都市河川の指定に向けた議論が進められております。県といたしましては、特定都市河川の指定により、流域治水の取組が更に推進するものと認識していることから、引き続き関係機関と連携し、吉田川の指定に向けて取り組んでまいります。 次に、高城川や鶴田川の指定に向けた見通しについての御質問にお答えいたします。 高城川は、上流の吉田川サイフォンを介して鶴田川と接続しており、これまでも上下流一体となった治水対策を進めてきたところです。また、鶴田川に接続する水路は、平常時は鶴田川に排水されますが、洪水時には、排水機場により吉田川に強制排水されていることから、流域治水対策を考える上で、吉田川とともに、高城川や鶴田川においても、一体的な取組が不可欠であると認識しております。このため、先月末に開催された吉田川流域治水部会では、これら三河川を特定都市河川に指定する方針が確認されたところであり、県といたしましては、流域の安全・安心を確保するため、関係機関と連携し、早期指定に向けて取り組んでまいります。 次に、河川や下水道の整備に係る予算上のメリットはどうかについての御質問にお答えいたします。 特定都市河川の指定後には、国や県、市町村などが共同で、河川や下水道などの施設整備や浸水被害対策の基本方針等を定めた流域水害対策計画を策定する必要があり、この計画にそれぞれの事業を位置づけることによって、関連する事業の一体的な予算措置が行われることになります。また、国では、近年頻発化・激甚化する水災害を踏まえ、特定都市河川の事業を含む流域治水関連予算に重点配分しており、今年度は、流域水害対策計画に位置づけられた事業に活用できる新たな補助制度が創設されるなど、今後も、河川や下水道を含む事業制度の拡充などが見込まれているところです。県といたしましては、引き続き流域治水関連予算の動向を注視していくとともに、国や市町村と緊密に連携し、必要な予算を確保しながら、流域治水対策にしっかりと取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 五十八番藤倉知格君。 ◆五十八番(藤倉知格君) 答弁ありがとうございました。 まず、仙台医療圏の再編構想についてなのですが、昨日も、再質問でだったでしょうか、公明党の遠藤議員も問いただしておりましたけれども、精神医療センター中心に、やはり相当な懸念なり反発だったり問題提起だったり様々動きがあるわけですが、基本的に、昨日の知事答弁を改めて拝聴しますと、スケジュールどおり今年度中に基本合意を得る目標に変わりはないというような表現をしておりました。例え話になるのですけれども、登山、山登りがありますよね。山登りで例えますと、基本合意までの道のりは、今現時点において何合目くらいに差しかかっているかという感覚、感覚で結構ですから御提示いただければと思うのですが、可能な限りよろしくお願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。
    ◎知事(村井嘉浩君) 非常に難しい御質問ですけれども、感覚的に申し上げて、五合目から六合目ぐらいかなというような感じでございます。 ○議長(菊地恵一君) 五十八番藤倉知格君。 ◆五十八番(藤倉知格君) 村井知事の、一連のこの問題に対する踏み込み方だったり強い思いからすると、もう少し何合目か高いところに位置づけているかなという感じもしたのですが、それも恐らくは、何としても実現させていこうという、強引ではなくできる限り謙虚に進みたいという戦略的な表現だろうというふうに受け止めております。 それに関連して、道路問題、宮沢根白石線問題についても質問したのですが、部長からは、極めて事務的な淡々とした熱意も何も感じないような答弁でございまして、ただ必要性だけは触れて言及がありました。それ以上の何物もない回答でございまして、やはりこれは昭和四十八年に、説明しましたとおり都市計画決定済みとはいうものの、路線名は変わってはいますが、歴史を振り返りますと、そもそも昭和二十九年十二月の都市決定なのですよね。昭和二十九年というと私が生まれた年でございまして、十二月もそのとおりでございます。いかに歴史が、時間があるか。その中で、非常にそういう意味での問題意識を持たなければならない路線だろうというふうに思います。昭和二十九年、それから昭和四十八年の段階から比べますと、今の仙台市、そして富谷市、お話ししたように広域行政エリアはもうがらりと変わっておりまして、必要性が極めて増しているわけであります。そういう問題意識を持ってしっかりと前向きに取り組むと、働きかけをしていくという答弁を知事からいただきたいのですが、よろしいですか。お願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 都市計画道路ということになっておりますけれども、県道として整備するのか市道として整備するのか、これがまだ決まっておりません。当然、道路というのはつながれば非常に便利になりますし、恐らく交通量も期待されると思うのですけれども、そういうことで今後、先ほどお話ししたように、両市も含めてしっかりと意見を聞きながら、整備するのかしないのか、整備するなら誰がどのような形でといったことをよく話し合っていく必要があるということで、部長答弁--昨日、結構ここは議論したのですけれども、最終的には両市の御意見を十分伺ってまいりますという形にさせていただいたということでございます。 ○議長(菊地恵一君) 五十八番藤倉知格君。 ◆五十八番(藤倉知格君) それから何といいましても、公共関与の産業廃棄物最終処分場問題でございまして、知事から先ほど答弁もありましたが、私はこの件について、今度で四回目の質問をいたしました。地元ということもあって、やはりいろんな苦労が伝えられ、要請があり、本当に厳しいプロセスを経ての基本合意でございまして、そのことはるる先ほども申し上げたとおりです。これを本当にしっかり受け止めていただいて、関係職員、あるいは県の環境事業公社とも連携して、しっかりと、基本合意というのは終着点ではなくて、まだスタート、始まりでございますので、その思いでしっかりと臨んでいただくように強く要請して、そして知事の決意をもう一回お聞かせいただいて終わりたいと思います。お願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 先ほども答弁いたしましたけれども、御地元の大和町をはじめ鶴巣地区の皆様には大変御迷惑をおかけすることになりますが、御理解をいただいたということで、本当に心から感謝を申し上げます。小鶴沢がもう間もなく満杯になってしまうということで、これは私が知事になってしばらくしてから、この問題を考えなくてはいけないと言ってから十年以上かかって、やっとここまでやってまいりました。本当に感謝を申し上げます。いろいろお約束をしたことがありますので、口約束だったと言われることのないようにしてまいりたいと思いますし、この協議をしている間、まさに藤倉議員は御地元でございますので、地元の議員としてずっと住民に寄り添いながら、また、我々の意見も聞きながら御指導いただきました。心から感謝申し上げます。しっかりとお約束したことを守って、結果的には認めたことが地元にとってプラスになったと思ってもらえるように必ずやってまいりたいと思います。 ◆五十八番(藤倉知格君) 終わります。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 以上をもって、質疑、質問を終結いたします。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております各号議案中、議第百七十八号議案につきましては、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(菊地恵一君) 御異議なしと認めます。 よって、さように決定いたしました。 ○議長(菊地恵一君) 残余の各号議案は、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。……………………………………………………………………………………………    議案付託表      第三百八十六回宮城県議会(十一月定例会)令和四年十二月七日議案番号件名提出年月日委員会議第百七十八号議案令和四年度宮城県一般会計補正予算四・一一・二四予算特別議第百七十九号議案個人情報の保護に関する法律施行条例同総務企画議第百八十号議案核燃料税条例同総務企画議第百八十一号議案フレックスタイム制の導入に伴う関係条例の整備に関する条例同総務企画議第百八十二号議案情報公開条例の一部を改正する条例同総務企画議第百八十三号議案事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第百八十四号議案申請等の受理の特例に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第百八十五号議案総合運動場条例等の一部を改正する条例同総務企画農林水産議第百八十六号議案損失補償契約に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例同経済商工観光議第百八十七号議案当せん金付証票の発売限度額について同総務企画議第百八十八号議案指定管理者の指定について(宮城県慶長使節船ミュージアム)同環境福祉議第百八十九号議案指定管理者の指定について(閖上漁港の指定施設(護岸及び物揚場横泊地並びに物揚場横泊地))同農林水産議第百九十号議案指定管理者の指定について(閖上漁港の指定施設(ヨット等の保管施設及び倉庫)及び研修室)同農林水産議第百九十一号議案指定管理者の指定について(気仙沼漁港の指定施設(魚町二丁目護岸横泊地))同農林水産議第百九十二号議案支払督促の申立てに係る督促異議の申立てがあった場合における訴えの提起について同総務企画議第百九十三号議案地方独立行政法人宮城県立病院機構が達成すべき業務運営に関する目標を定めることについて同環境福祉議第百九十四号議案宮城県道路公社による有料道路の料金変更の同意について同建設企業議第百九十五号議案財産の取得について(情報通信機器(タブレット端末等)一式)同文教警察議第百九十六号議案財産の取得について(情報通信機器(タブレット端末等)一式)同文教警察議第百九十七号議案工事請負契約の締結について(一般国道百十三号福岡蔵本二号橋(仮称)新設(上部工)工事)同建設企業議第百九十八号議案工事請負契約の締結について(宮城県栗原警察署(仮称)庁舎新築工事)同文教警察議第百九十九号議案工事請負変更契約の締結について(主要地方道女川牡鹿線飯子浜道路改築工事)同建設企業議第二百号議案工事請負変更契約の締結について(主要地方道石巻鮎川線大原浜道路改築工事)同建設企業議第二百一号議案工事請負変更契約の締結について(主要地方道気仙沼唐桑線本町道路改築工事)同建設企業議第二百二号議案工事請負変更契約の締結について(南部地区職業教育拠点校(仮称)校舎等新築工事)同文教警察議第二百三号議案製造請負契約の締結について(宮城県慶長使節船ミュージアム展示改修)同環境福祉議第二百四号議案職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例四・一二・一総務企画議第二百五号議案特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第二百六号議案財産の取得について(タブレット端末保管庫一式)同文教警察----------------------------------- △請願 ○議長(菊地恵一君) 日程第六、請願を議題といたします。 お手元に配付の文書表のとおり、請願二か件が提出されております。 総務企画委員会に付託いたします。……………………………………………………………………………………………    請願文書表      第三百八十六回宮城県議会(十一月定例会)令和四年十二月七日請願番号要旨請願者名紹介議員受理年月日所管委員会三八六の一私立高等学校等への助成強化に関することについて宮城県私立中学高等学校連合会          会長 外二名中山耕一・ゆさみゆき 三浦一敏・伊藤和博 岸田清実・菅間 進 吉川寛康四・一二・二総務企画三八六の二私学助成拡充に関することについて教育会館四階  宮城県私学助成をすすめる会            代表幹事ゆさみゆき・三浦一敏 岸田清実・渡辺忠悦四・一二・六総務企画----------------------------------- △休会の決定 ○議長(菊地恵一君) お諮りいたします。 委員会審査のため、明日から十二月十三日まで六日間本会議を休会とし、十二月十四日再開することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(菊地恵一君) 御異議なしと認めます。 よって、明日から十二月十三日まで六日間本会議を休会とし、十二月十四日再開することに決定いたしました。 なお、ただいま御出席の諸君には改めて通知いたしませんから、御了承願います。----------------------------------- △散会 ○議長(菊地恵一君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 十二月十四日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後三時四分散会...